2016年4月23日土曜日

【コラム】がん対策基本法改正に対する私の思い

連日、がん対策基本法について投稿してます。
でもがん対策基本法について私はどうしても譲れない思いがあります。

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2006年がん対策基本法が施行された年、私たちは抗がん剤ドキシルを求めて会を結成し署名活動をはじめました。
誰もが患者会活動も署名活動もはじめてで模索しながらの活動です。

そんなときある国会議員さんからがん対策基本法について聞きました。
「救えるいのちのために」という本を出された山本たかし先生でした。
山本先生から私たちよりも前に抗がん剤の承認を訴えた患者さんがいた歴史と患者の声から基本法ができたんだよと伺いました。

がん対策基本法にも下記の条文が掲載されています。

『第三節 研究の推進等
第十八条  国及び地方公共団体は、がんの本態解明、革新的ながんの予防、診断及び治療に関する方法の開発その他のがんの罹患率及びがんによる死亡率の低下に資する事項についての研究が促進され、並びにその成果が活用されるよう必要な施策を講ずるものとする。
2  国及び地方公共団体は、がん医療を行う上で特に必要性が高い医薬品、医療機器及び再生医療等製品の早期の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 (昭和三十五年法律第百四十五号)の規定による製造販売の承認に資するようその治験が迅速かつ確実に行われ、並びにがん医療に係る標準的な治療方法の開発に係る臨床研究が円滑に行われる環境の整備のために必要な施策を講ずるものとする。(がん対策基本法より)』

しかし当時は基本法ができて、それを元に作られたがん対策推進基本計画は、「救えるいのちを救う」ためにまずは基盤づくりである「標準治療」「ガイドライン」「5大がん」「拠点病院体制」などの大切な取り組みをはじめたばかりでした。

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米国では1999年に承認され卵巣がんのガイドラインにも掲載され、世界70カ国以上に承認されているドキシルを手に入れるためには自分たちで動くしかありませんでした。

今となっては普通に新聞でも言葉が使われるようになったドラッグ・ラグという問題の当事者になったのです。

専業主婦で医薬行政のことなんて何も知らなかった私に多くの人が惜しみなくさまざまなことを教えてくださり、少しずつですが卵巣がんのドラッグ・ラグの問題は前進し世の中にも知られていきました。

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でも、卵巣がんは難治がんです。
会員さんが天国に旅立たれたという連絡が次から次へ・・・。
3月末には200人以上いる会員が、更新の連絡をしたら半分以下に減る・・・。

あぁ、彼女はお孫さんが生まれるのを楽しみにしていたのに。
あぁ、彼女は3人のお子さんがいてまだ小さかったのに。
あぁ、彼女は私より若くてキャリアもあって夢もあったのに。

スマイリーの会員名簿には、会員さんから相談受けた内容が簡単にですがメモされるようになっています。
次にお電話がきたりメールが来たときに速やかに対応できるように。
その記録をみながら一人ひとりを思い出し、ボロボロと涙をこぼし会員名簿から消していく・・・。
この辛さを味わって欲しくない・・・・いまでもこれは代表である私の仕事です。
厳しいようですが、これが難治がんの現実なんです。

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がん対策基本法から5年経った2011年9月。

既にスマイリーが求めていた抗がん剤はドキシル、ジェムザール、ハイカムチン3剤とも承認されていました。
その経験を評価していただき「がん対策推進協議会」のドラッグ・ラグの集中審議にヒアリングで呼んでいただきました。

そのときのスライドは厚生労働省から「資料としてWebに掲載する前に配慮を願いたい」といわれるくらい厳しい内容でした。

国が医薬品行政は進んでいるっていうけれどそれは第2次世界大戦中の大本営発表と同じ嘘で塗り固められたものじゃありませんか!?
その根拠として卵巣がんやすい臓がんなど難治性かつ希少ながんのドラッグラグの声を力の限り訴えました。

「こんな厳しいスライドを作って、片木は将来、自分が国の委員になる道を捨てたんだな」「徹底的に国の政策を非難して命をかけるんだな」という哀れみとも失笑ともとれるザワザワした傍聴席からの声は忘れられません。

当時の国立がん研究センター理事長だった嘉山孝正先生が協議会の委員に、またヒアリングにはその次に理事長になられる堀田知光先生が私と同じヒアリングの発表者でいてくださり、惜しみない援護射撃をしてくださいました。もちろんその時の患者での委員のみなさんもです。

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そして取りまとめられた第2次のがん対策推進基本計画にははじめてドラッグラグという言葉が盛り込まれました
その後、希少がんや難治がんなどの集中審議もへてそれらの言葉も盛り込まれました。
でもこれは「たまたま」当時話題になっていたドラッグラグのヒアリングをしようじゃないかと協議会が動いただけで「運」です。
あれから5年経った今回の協議会の集中審議にドラッグ・ラグが上がるかどうかといわれれば上がらないかもしれません。
(がん研究の一環くらいが関の山かも・・・)
私が、今回のがん対策基本法の改正に希少がん・難治がん・小児がんを入れて欲しいと切望するのは、そんな「運」に本当に現在治療に苦慮されたりして声が上がりにくいがんの人たちのための政策が左右されて欲しくないのです。
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今日も長文になってしまいすみません。
どうかお願いです。
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下記リンク先を読んでいただき送っていただけないでしょうか。
希少がん、難治がん、小児がん・・・卵巣がんは全て当てはまります。
どうか助けていただけましたら幸いです。