2012年9月11日火曜日

【緊急】ランマーク®皮下注120mgを使用される患者様とご家族の皆様へ

がんの骨転移に対するランマーク®皮下注120mgの使用ですが、本日夕方に安全性速報が出されました。
取り急ぎ、スマイリーでわかった範囲の情報をシェアさせていただきます。

ランマークは、がんの骨転移に苦しむ患者さんにとっては意味のあるお薬であり、医師と相談のうえ正しく使っていただくことが大切です。
自己判断をせず、医師と相談して治療に用いていただけますようお願いいたします。

★最下部にスマイリーがここまでに得た情報を記載していますのでそちらもあわせてごらんください(一部修正しました。9月12日AM04:20)

医療者向けの情報(PMDAのWEBサイトの情報より:pdf)
http://www.info.pmda.go.jp/kinkyu_anzen/file/kinkyu20120911_1.pdf

患者さん、ご家族向けの情報(PMDAのWEBサイトの情報より:pdf)
http://www.info.pmda.go.jp/kinkyu_anzen/file/kinkyu20120911_2.pdf



携帯でごらんになっていてPDFをごらんいただけない患者さんもおられると思うので患者さん、ご家族向けの情報を転記させていただきます。


ランマーク®皮下注120mgを使用される患者様とご家族の皆様へ 
ランマークの投与により、低カルシウム血症の副作用が報告されております。 
手足のふるえ、筋肉の脱力感、けいれん、しびれ、不整脈などの症状があるときは、直ちに主治医にご相談ください。
※低カルシウム血症とは
  通常、血液中のカルシウム濃度は一定に保たれています。低カルシウム血症とは、血液中のカルシウム濃度が低い状態のことです。
 低カルシウム血症は、そのまま放置すると、命に関わる場合があります。
 ランマークを使用される方は、次のことにご注意ください。
  • 低カルシウム血症の発現を軽減するために、主治医の指示どおり、カルシウムとビタミンDを毎日服用してください。もし、カルシウムとビタミンDの内服が難しい場合は、主治医にご相談ください。
  • 手足のふるえ、筋肉の脱力感、けいれん、しびれ、不整脈などの症状があるときは直ちに主治医にご相談ください。
  • 症状がなくても低カルシウム血症を発現していることがありますので、頻回な血液検査が行われます。主治医の指示に従ってください。
  • 腎機能が悪いと言われたことがある方は、主治医にその旨をお知らせください。
本情報は、ランマークを使用されている患者の皆様やご家族の皆様などに、ランマークに対する正しい理解と、重大な副作用の早期発見などに役立てていただくために作成したものです。ランマークを使用するときに特に知っていただきたいことを、医療関係者向けに作成されている安全性速報や添付文書を基に、わかりやすく記載しています。また、ランマークに関する患者の皆様やご家族の皆様向けとして「患者向医薬品ガイド」が下記に掲載されております。
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「医薬品医療機器総合機構ホームページ」
URL:http://www.info.pmda.go.jp/

ランマークを使用後に異常を認めた場合には、直ちに主治医に相談してください。
【この薬についてのお問い合わせ先】
  • 症状、使用方法、副作用などのより詳しい質問がある場合は、主治医や薬剤師にお尋ねください。
  • 一般的な事項に関する質問は下記へお問い合わせください。 
 第一三共株式会社 製品情報センター 電話:0120-693-132〔受付時間:9:00 ~ 17:30(土、日、祝祭日、当社休日を除く)〕


★スマイリーより★

ランマークはがんの骨転移の患者さんに用いるお薬で、卵巣がんの患者さんだけでなく、乳がんや前立腺がん、肺がん、多発性骨髄腫など多くのがん種の患者さんが使っています。

ゾメタと効果が似たお薬ですが、投与回数や腎臓が悪い患者さんでも状況によっては治療に用いられるため発売後に多くの患者さんが使っています。

注意すべき症状などは上記に転記した情報を元に判断していただきたいのですが、以下の情報はスマイリーに寄せられた医師からの情報です。
みなさまのほうでも必ず担当医と話し合い、確認して治療を行ってください。

ランマークはカルシウムが下がってしまうため補充が必要です。
ランマークを用いる患者さんは必ず処方されたカルシウムとビタミンを飲んでください。


  1. 「医師に指定された量を、サボらずにきちんと飲むことが大切」です。ランマーク投与時はカルシウムの値などを確認するため血液検査の回数が増えますが、カルシウムが下がっていないからと飲むのをサボると、突然ストンと数値が下がり、カルシウムの量を取り戻すことが難しくなる報告があるそうです。血液検査の値が正常でも、きちんとカルシウムとビタミンDを飲んでください。
  2. 「腎臓が悪くない患者さんは、薬局にて第一三共のカルシチュウを購入し飲んでいただくことになります」。ランマークで失うカルシウムと天然のビタミンDを補充するために医師よりカルシチュウ(OTC薬)を薬局に購入に行くよう指示されると思います。病院でランマークの治療をうけ、薬局にカルシチュウを買いに行くという煩雑な手間になりますが、忘れずに薬局に買いに行くようにしてください。
  3. 「腎臓が悪い患者さんは、カルシチュウとは別のカルシウムやビタミンの考慮が必要になる場合もあるので必要に応じて腎臓の専門医等にご相談ください」。腎臓が悪い患者さんはカルシウムなどの調整が必要となるようです。医師とご相談のうえ調整してください。医師は製薬企業に確認する、場合によっては腎臓の専門医に相談するなどして調整をお願いいたします。
  4. 「自己判断でカルシウムを補充したりビタミンを補充したりしないでください」。ランマークを用いる患者さんは医師と相談の上、必要なカルシウム、ビタミンDの補充をしてください。自己判断で薬局で売っているカルシチュウとは別の薬をつかったり、サプリメントで補充をしないようにしてください。また、カルシチュウを医師から指示された量以上に飲むことはやめてください。また、薬局で別のメーカーの別のお薬をお勧めされるかもしれませんが、医師から指示されたものを買うようにしてください。




★医師のみなさまへ★
ランマークは骨代謝系のお薬で安全性速報では判断が難しくどのように対応していいか判断に迷われることもあるかと思います。
たいへんお手数ではありますが、第一三共株式会社の窓口および腎臓や代謝の専門医への確認、PMDAの情報などをもとに慎重にご確認のうえ治療を行っていただきますようお願いいたします。またカルシチュウはOTC薬なので患者さんが購入にいくのに戸惑う場合もあるかと思います。わかりやすく説明いただきますようお願いいたします。

★薬剤師のみなさまへ★
カルシチュウはOTC薬であり、薬局により置いてないお店もあるようです。
がん骨転移に対するランマークの治療は皮下注であることなど患者への負担も少ない部分もあり承認以降多くのがん種で治療に用いられています。
がん骨転移の患者さんがカルシチュウを探して薬局を何軒もはしごをするのはたいへんな負担になります。
がん診療連携拠点病院近く、がん患者が多く通う医療機関の近くの薬局の皆様には今回の件をご理解いただきカルシチュウを取り扱っていただけるようお声掛けいただけますと幸いです。
また患者さんの副作用を多くの目がチェックすることで防げると思います。今回ブルーレターが出たことを多くの薬剤師さんに知っていただきたいと思いますので情報のシェアをお願いいたします。