2015年12月4日金曜日

【コラム】化血研の報道に関して

※スマイリー代表 片木美穂のフェイスブック投稿の一部を抜粋して掲載します。
患者様には難しい内容かも知れませんが、お薬に関する重要な問題ですのでお時間があればお読みください。


みなさまも既にご存知だと思いますが、化血研が承認を取った方法と異なる方法で製品を作っていた問題。

朝日新聞より:http://www.asahi.com/articles/ASHD251RLHD2ULBJ00K.html

医薬品等制度改正検討部会で薬事法の改正に携わった立場として、稚拙な文章ではありますが思いを書きたいと思います。

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私は、ドラッグ・ラグ問題と向き合う中で、お薬を患者さんに届けるためには質の高い臨床試験(治験)が必要であることを知りました。

お薬が疾患に効果があるというデータとともに、有害事象や副作用にどういうったものがあったのか、どの程度であるかなどのデータを臨床試験で出し、そのお薬が有益なのかどうかを慎重に判断(審査)して承認に至ることを知りました。

もちろん承認に至るまでには臨床試験の結果のほかにも、そのお薬がどういう過程で製造されるかといったことも企業が書類として提出し審査されます。承認後もそれを守ること、変更の際にはきちんと必要な手続きを踏むことが義務付けられています。

詳しくは医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(旧薬事法)を参照ください:http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxselect.cgi?IDX_OPT=1&H_NAME=%96%F2%8E%96%96%40&H_NAME_YOMI=%82%A0&H_NO_GENGO=H&H_NO_YEAR=&H_NO_TYPE=2&H_NO_NO=&H_FILE_NAME=S35HO145&H_RYAKU=1&H_CTG=1&H_YOMI_GUN=1&H_CTG_GUN=1

承認された後も、患者さんを守るために、製造販売については企業には正しい製造販売が求められます。実際に、私たちが早期承認を求めたドキシルも、卵巣がんに適応をとった(承認された)あと供給停止になったことがあります。それは当時製造していた米国の会社のなかで製品の行程に問題があったことが分かったためです。

当時の資料:http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001wlr3-att/2r9852000001wlvf.pdf

企業はそれに対してしっかり対処し、現在は問題を起こした米国の工場ではなく別の国で製造されています。もちろん製造の工程が変わるにあたってはきちんと国の指導を仰ぎ、適切なプロセスを踏んでおり、ドキシルはいま患者さんに届いています。

お薬はそうした科学的根拠や、製造する上での行程、また販売後も市販後調査など厳しい条件が課せられた上でお薬は患者さんの治療薬として届くのです。

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以前、イチャモン免疫療法にノーという表明をしたときに、ある患者会の代表の方にこういわれました。

「患者さんは、がんという病気を向き合ったとき藁にもすがる気持ちで、たとえそれが効かない可能性が高くても治療したいものなのよ。」と。

私もがん患者です。自分がもしも治療に苦慮をしていたならそんな気持ちにならないとはいえません。

でも効果と有害事象を科学的にしっかり出していないものは、患者さんにとって「治療」なのでしょうか?むしろ患者さんに高額な出費をさせ、体に針をムダに刺す痛みを与え、余計な予期せぬ有害事象で苦しめる可能性だってあるのだと反論したことを覚えています。

それくらい、患者さんにお薬が届くために必要な臨床試験(治験)には厳密なルール(薬事法、GCP、倫理指針等)が課せられているのです。
(詳しく知りたい人は、ヘルシンキ宣言、ニュンベルク綱領、GCP、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針など検索して読んでください。)

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なぜ私がそこまで思うのか。

私たちがドラッグ・ラグと戦ってきたときに、もうひとつ厚生労働省で戦っていた人たちがいます。

薬害肝炎被害者のみなさんです。

ドラッグ・ラグについて訴えていた頃、マスコミは「薬害被害とドラッグラグを相反するもの」というイジワルな質問を何度も私たちにぶつけてきました。

薬害は、簡単にいえば、「そのお薬が問題があるとわかっていても用いられ続けたことによる被害」です。

ただ私は当時は薬害について不勉強で(今も不勉強かもしれませんが・・・)、当時厚生労働省などで見かける被害者のみなさんが、いったい何を話しているのだろうと姿を見かけたときは話を聞いたり、本や新聞記事を国会図書館で探したりして、薬害とはなにか、どういうことを国に求められているのかといったことを知ろうとしました。

そこでわかってきたのが、薬害肝炎の被害者のみなさんのなかには薬害被害によるC型肝炎と向き合う中で「インターフェロン治療」や「ペグインターフェロン+リパビリン療法」などといった治療を受けられる方がおられること。

「インターフェロン治療」が奏効せずに絶望を感じられたときに、「ペグインターフェロン+リパビリン療法」が承認されて奏効された被害者の方がおられること。

それでもC型肝炎ウィルスが消えずに、さらにその後、新しく開発されるお薬を期待している被害者のかたがおられることを知りました。
(長くなるので薬害肝炎がどうして起きたのかという過程については割愛しました。)

C型肝炎治療のいずれの治療も副作用はあり、薬事法改正のときに隣の席には薬害肝炎被害者の女性が座られていましたが、治療の副作用による高熱を出されながらも、薬事法改正にあたり二度と薬害を起こさぬよう魂をこめた意見をいわれていた姿勢には頭が下がる思いでした。

薬事法の改正の議論より数年さかのぼりますが、薬害肝炎の検討会に一度ヒアリングで呼ばれたことがあります。その時に、地下のサブウェイで「片木さん、自分の肝炎は進行してもう猶予が無いんです。薬害の再発防止も必要だけど、お薬の開発も待ったなしなんです」と私の手を握られ涙ながらにお話くださった薬害肝炎被害者の方もおられました。

つまり、薬害被害者の方は「決してすべてのお薬を否定しているわけでもない」し、「お薬には副作用があるということ」もご存知なのです。

つまり「有効で安全なお薬を患者さんに」という思いは同じであり、薬害肝炎の被害者のみなさんの戦いを見守りながら、それより以前に起きたスモン・HIV・サリドマイドなどの資料もたくさん読んで、この国の医薬品の開発のあり方はどうしたらいいのか…。お薬には効果という科学的根拠と、有害事象や副作用がどれくらいなのかという科学的根拠を示す質の高い臨床試験を行なうこと、そしてそれを製造開発、販売がきちんとされるよう規制(制度)が必要なことを学んだのです。

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薬事法改正の検討会は「薬害vsドラッグ・ラグ」というような報じられ方もしましたし、私の思慮と配慮の足りなさも災いして辛い思いをしましたが、私は決して薬害被害を軽んじていたつもりではなく、薬事法改正の会議に臨むにあたり、何度も 「薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会」 の最終提言を読みました。

報告書:http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/04/s0428-8.html

この提言には「もう二度と同じ辛い思いをする人を作りたくない」という薬害再発を起こさない強い思いが詰め込まれています。この提言書は薬の開発に携わる人たちにとって無視をしてはいけないとても重たい提言です。

いっぽうで薬事法を改正するにあたり、最終提言をもとに改正をするという厚生労働省の方向性は理解しつつも、行き過ぎた規制により医薬品開発が萎縮しないようにしなければという思いもありました。

半年間、私にとっては薬事法を読み込み、現行の規制を学び、薬害肝炎の最終報告書を読み込み・・・そのうえで、病気と向き合う患者さんのためにどうしたらいいのかという視点を大事に委員の職務を全うしたつもりです。実際に下記の最終提言書は、会議の最終日に座長に一任とされそうなのを、薬害肝炎被害者の委員と私とで「納得がいかない」として年明けに大幅にずれ込む形で、厚生労働省と1文字まで話し合いまとめあげました。薬の開発の萎縮につながらないよう、また薬害被害者を二度と生み出さないよう思うから当然のことです。

報告書: http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000020uxm.html

実際にこの報告書は活かされ、「 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(略して薬機法) 」「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」として法整備され、さらに最近では拡大治験(日本版コンパッショネートユース)の基となっています。

拡大治験:http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000097784.pdf

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先日、ある方に「片木さんが臨床試験(治験)に求めるものはなんですか?」と聞かれました。

「臨床試験は、病と向き合う未来の患者さんに新しい治療を届けたり、どの治療がより適切なのかということを示すために必要なものです。
そして、患者さんに予想される副作用はどんなものかを示し守るものでもあると思います。
また薬害を二度と生まないためにも質の高い臨床試験を行なうこと、それに基づいた科学的根拠に基づく医療を行なう必要があると考えます。
つまり、臨床試験は新しい治療を生み出すことと、患者さんを守ること、両方の意味があると考えます。
臨床試験の結果がネガティブになり研究者の方は落ち込むこともあるかもしれませんが、そのネガティブな結果が無駄な治療から患者さんを守る一助になるのかもしれないのです。
決してその研究は無駄ではないのです。
私たちの命を守ってくださりありがとうございます。」

そういう思いでいただけに、こうした、研究の先の、実際に製品を製造し販売する側でおきた出来事に本当になんとも言えない気持ちになりました。
(薬事法の改正の会議でも製薬業界がどんな発言をしていたか・・・結局きれいごとを言って実情はこれかよと思うばかりです。)

患者さんにお薬を届けるには臨床試験が必要だと感じて様々な提言をし、踏ん張って踏ん張って踏ん張ってがんばってきたつもりですが今回の化血研の報道は思いを踏みにじられた気がして本当に悲しいです。

製薬企業のWebサイトにはどこも綺麗な言葉が並んでいます。
本当にその言葉どおりの企業運営になりますよう、これ以上、いのちを軽視した問題が起きないよう願うばかりです。

2015年11月7日土曜日

【活動報告】スマイリーの東京オフ会(おしゃべり会)でした

こんにちは。
いつもスマイリーの活動にご理解いただきありがとうございます。
代表の片木です。

今日は東京・茅場町の会議室で東京オフ会(おしゃべり会)でした。

今日は20名以上の参加者がおり、初参加の患者さんも多かったです。

最初の自己紹介は緊張気味でしたが、スマイリーのオフ会はベテランのみなさんも多く、世話人と一緒にとてもうまく話の場を作ってくれるので、フリートークが始まって3分もしないうちににぎやかになっていました。

その後、希望者だけでランチに行くことになったのですが、こちらも17名!

おいしいランチを食べながら、さらに盛り上がっていました。

「参加して元気もらいました。」
「12月のグローバソンも参加したいと思います」
「次の集まりにも元気に参加したいので治療頑張ります」

そんな声をたくさんかけていただき、私も世話人もそういう声にとても励まされて続けていけます。

次は1月ごろ、新年会を計画中です。

また決まりましたらSNSで募集しますね。

2015年11月6日金曜日

【コラム】セカンドオピニオンを受けたいと思われたことありますか?

おはようございます。

気づけばもう11月ですね。
今年もあと2ヶ月となりました。
今年こそは我が家の大掃除ができるのか・・・・・・・(白旗パタパタ)。
近年は年賀状すら日本の制度で廃止してもらいたいと願う11月12月です。

12月12日開催のグローバソンですが、おかげさまでぼちぼち申し込みがきています。
まだまだお席に余裕がありますので、是非是非是非!ご参加ください。
http://globeathon2015.e-ryouiku.net/


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さて表題の、セカンドオピニオンですが、

セカンドオピニオンとは、国立がん研究センターのホームページの言葉を引用すると
セカンドオピニオン外来は、現在の主治医から提示された診断、治療方針に対して、第三者として専門的相談を行うものです。したがって、当センターで外来診療を行うものではありません。治療ご希望の際には、新たに新患受付を行って受診していただくようお願いいたします。 
もちろん、これは患者さんが「他の先生の考えを聞いてみたい」と思ったときに誰もが希望できるものです。

しかし、患者さんからは

  • セカンドオピニオンを希望したら「僕の治療に不満があるの?」といわれて取り下げました。
  • セカンドオピニオンを受けた後、その先生の見解を持って戻ったら「この先生の言うことは聞けないよ」といって治療方針について考えてもらえなかった。
  • セカンドオピニオンを希望したら「忙しいからあなたが生きている間に2回だけ紹介状をかいてあげるよ」と言われた

などなど、とんでもない事例がいくつも声として届きます。

もうセカンドオピニオンは誰もが使える権利だとなっているのに・・・・。

みなさんはセカンドオピニオン受けたことありますか?
その時、主治医の先生に言い出しやすかったですか?
なにか気まずい思いをしましたか?

もし主治医に言い出しにくいときは、病院の産婦人科の窓口(事務)に電話して、セカンドオピニオンを受けたいので書類を用意して置いてください。いつどこに取りにいけばいいですか?
などとワンクッションおいてお願いするのも手ですし、自分ではなく家族からお願いしてもらうのも手です。
どうしても診察室は医師と患者が1対1になりがちなので・・・誰かの目が入ることでお互い冷静になれます。

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またセカンドオピニオンですが、どういった話をしたの?って患者さんに聞いたときに多いのが

「これまでの自分の治療が正しかったのか」

ということです。

もちろん、セカンドオピニオンを希望される多くの場合は再発したり、治療に苦慮して治療法を変更するなど「バッドニュース」のときです。

その時に、「他に何かいい方法が」ということと「これまでの治療に問題はなかったのか」ということを考えられるのは仕方ないことだと思います。

でも、セカンドオピニオンの限られた時間の中で、できれば「これからのこと」をしっかり聞いてきてもらいたいなと思います。

ご自身の体のこと、これからのこと、主治医から提示された治療は適切か・・・・。

これまでのことについては、主治医からの紹介状や、これまでのことをご説明されることで、セカンドオピニオンを受ける医師も、何かしら問題があれば指摘されるかとおもいます。

「自分は何が知りたくてセカンドオピニオンを受けるのか」

そこをしっかり考えて、優先順位をつけて有効にその時間を利用していただけたらいいなと思います。

2015年10月13日火曜日

【コラム】ある日「臨床試験に参加しませんか?」といわれたら

こんにちは。
気が向いたら書く(というか、事務所で仕事があるときに書く)不定期コラムですが、いつもたくさんの方に読んでいただきありがとうございます。
スマイリー代表の片木です。

気がつけば10月も半ば。
12月12日に開催するグローバソンジャパン2015の参加申し込みも始まり、すでに多くの参加申し込みに嬉しい悲鳴です!
参加しようかな?とご検討いただいている方はお早めのお申し込みをお待ちしております。
ホームページはこちらです。


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私たちがいま、抗がん剤治療を受けられていたり、「いま、多くの卵巣がん患者さんにとって良いと思われる治療」として標準治療を受けられ、その副作用もあらかた予想できているのは、臨床試験(治験)に協力してくださった多くの患者さんのおかげです。

そういうと、驚かれる方もおられるかもしれません。

細かく書くとたくさんの方法があるのであくまでも基本的なことを書きますが、

たとえば、「新薬の承認」のためには、そのお薬を患者さんに投与し効果はどれくらいあるのか、副作用はどうなのか、薬事法にのっとったお薬を承認するための「治験」が行なわれます。
その治験のデータを国が慎重に判断し「卵巣がん患者さんに有用である」としてはじめて承認されます。
治験では効果も大切ですが、副作用についても慎重に見ていきますので、治験でこんな副作用があったから注意しなければとして医療機関も患者さんに投与する際には慎重に治療を進めていきます。
(現在は承認された後、しばらくは市販後調査として臨床試験と同じくデータをとり、承認された後に多くの患者さんで使ってどうだったのかというデータも活かされています。)

また承認されたお薬は、これまで治療に用いていたお薬とどちらが優れているのか。
既存の治療と比較する臨床試験が行われます。
その際にも、効果の比較もあるのですが、副作用も比較されます。
その結果を元に、この治療が多くの患者さんにとって有用であり、副作用も比較的少なかったなどとして「標準治療」が選ばれますし、また再発した際などの治療の選択の際には、「この抗がん剤は脱毛が少ないよ、骨髄抑制がましかもしれないね」などと副作用も考慮したうえで、どの治療が良いのか検討がされていきます。

つまり、お薬が承認されること、効果や副作用が分かることは、それを調べるための臨床試験(治験)に多くの患者さんが参加してくださったからなのです。


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ただ、実際に患者さんの立場に立ってみてみると、やはり「臨床試験って危なくないの?」「臨床試験に入って損はないの?」なんて声も少なくありません。

がんと向き合うとき、やはりできうることなら少しでも良くなりたいと願います。
その中で、突然「臨床試験」というものを勧められたとき、「これが私にとって参加することは良いことなのか」検討するのは患者として当然だと思います。

また、患者さんが臨床試験を勧められるときは、「がんと告知されて、これからの治療を検討しているとき」「再発・再々発したとき」など、いわゆる「バッドニュース」を受けたときが多いので気持ちも落ち込みますし、頭が真っ白になっているかもしれません。

そんなとき

  • 臨床試験ってなに?
  • 臨床試験ってどういうことをするの?
  • どうして私が臨床試験の被験者に選ばれたの?
  • 医師にどんなことを確認すればいいの?
  • 参加したらその後の治療などに不利益が無いの?
  • 断っても本当に大丈夫なの?

ほか、気になること・確認したいことがたくさんあると思います。

逆に、いま、治療に苦慮している患者さんは「なにか、自分が被験者になれる臨床試験はないかな?」と探しているかもしれません。
そんなとき、どうやって情報を探せばいいのかなど知りたいのではないかなと思います。

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グローバソンというイベントは「婦人科がん臨床試験の啓発」として米国ではマラソンが行なわれているようですが、日本ではもっとみなさんと、研究に携わる医療スタッフが距離を縮めてつながれるイベントにしたいと思っています。

みなさんが、ある日「臨床試験に参加しませんか?」といわれたときのお守りとして、一緒に学びませんか?

患者さんを支えるご家族やがん種を越えたピアサポーターのみなさんの参加も大歓迎です。

このコラムのタイトルにある「臨床試験に参加しませんか?」と言われたときにどうしたらいいのかということは、いずれこのコラムに書いていきたいと思いますが、まずは私自身もグローバソンでみなさんと一緒に考えていけたらとおもっています。

お申し込みはこちらから: http://globeathon2015.e-ryouiku.net/

2015年10月6日火曜日

【お知らせ】婦人科がん臨床試験を学ぼう!グローバソンジャパン2015開催のお知らせ

いつもスマイリーの活動を応援いただきありがとうございます。
スマイリー代表の片木です。

みなさんは、臨床試験(治験)ってどんなイメージですか?

そう聞かれても、そもそも臨床試験ってなんだろう?
ちょっと怖いイメージがあるな・・・
そう答える患者さんも少なくありません。

臨床試験という言葉を知っていても身近に感じない患者さんが多いのではないでしょうか?

そんなみなさんが「臨床試験に参加しますか?」と主治医からいわれたら・・・。
きっと不安を感じるのではないかなと思います。

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婦人科がん臨床試験を啓発・支援する「グローバソン」という活動が米国で行なわれ、日本も2013年から参加しています。

グローバソンのホームページにも書いていますが、米国では「女性がん撲滅米国マラソン(Globe-athon)」として取り組まれているこの活動ですが、各国独自の取り組みも可能ということで、今年は、日本の取り組みとして、2013年に行なったウォークに加えて臨床試験の勉強会を取り入れることにしました。

お申し込みは10月12日からですが、是非参加をご検討ください。
http://globeathon2015.e-ryouiku.net/

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勉強会にウォーク?と驚かれた方もいるのかもと思い、2013年の振り返りを!

2013年、グローバソンのウォークにスマイリーの会員さん・スマイリーを応援してくださるみなさんの参加を募り歩いてきました!

必ずウォークには臨床試験に携わる医療従事者の方が同行してくださり、わいわいとおしゃべりしながら歩き、先生方と患者さんの距離がグッと近づくイベントになりました!

今年も、埼玉医大国際医療センター藤原恵一先生を中心におしゃべりしながら散歩しましょう!
(もちろん、体力的に辛い方は勉強会からの参加も可能です)

グローバソンジャパン2015で「臨床試験ってなぁに?」の講義を担当くださるKASTの青谷さん(左)と、東京卵巣がんフォーラム2015で講師をしてくださったNTT関東病院の喜多川先生。


チーム卵巣がん体験者の会スマイリー。完歩できるかなー?って不安げな患者さんもいましたがみんな笑顔で歩ききりました!横浜市立大学宮城先生(前列右2人目)と。


スマイリーの応援団のみなさんとラストウォーク!名古屋や栃木から参加してくださった仲間もいて心強かったです。

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今年もみなさんにお会いできることを楽しみにしています!

2015年10月5日月曜日

【お知らせ】心に残る医療 体験記コンクール(10月14日まで)

スマイリースタッフのMです。

読売新聞社からご案内がありましたのでご紹介させていただきます。

読売新聞社では表題のコンクールを実施しているそうです。

締め切りが10月14日と迫っておりますが、みなさんの思いを形にしてみませんか?

http://event.yomiuri.co.jp/iryo-taikenki/

2015年9月16日水曜日

【コラム】「第15回CRCと臨床試験のありかたを考える会議2015 in KOBE」に参加しました。

いつも卵巣がん体験者の会スマイリーの活動にご理解いただきありがとうございます。
スマイリー代表の片木です。

9月12日から13日に神戸で開催された「第15回CRCと臨床試験のありかたを考える会議2015 in KOBE」に参加しました。

今回は教育講演『正しい知識を身につけよう!臨床研究・治験の新たなルール』の座長ということでの参加でしたが、時間があったので、特別企画『日本の臨床研究の「今」と「未来」~国民も巻き込んで議論しよう~』に参加しました。

内閣官房・医療政策機構の宮田先生と、今回の会議代表の森下さんが座長で進行されたこの特別企画では、様々な立場の方から5分スピーチがあり臨床試験に関する思いが語られました。
その中のお一人が大阪のある病院の先生。

臨床試験の拠点ではないけれど頑張ろうとしている病院の先生との触れ込みだったのでどのような提言をされるのかと期待していましたが、結果、ガックリしました。

だって「患者さんは1人にでも効果があったものに関しては使いたいのです。患者さんの期待に応える為にももっと小規模な試験でも承認するように仕組みを変える必要・・・」と。
もうその場で「なにいっとんねん!?」って叫びたい気持ちでした。

極端な例だけど、”3人のうち1人に効果がありました。”
って聞くと、患者さんは使いたがります。
でもこれって奏効率33%ではないんですよね。
これを30人に増やしても1人かもしれないし、30万人に増やしても1人かもしれない。
場合によっては日本国民でこのひとだけかもしれない。
もちろん、全国民に治験なんてできるわけでもないから、一定の計画を作り本当に有用なのか有害事象はどうなのか・・・未知の物を患者さんに同意をしていただき、体をお借りして試験し評価するわけです。

”患者は治療を受けたい”を隠れ蓑にして、医師が薬を承認させるのに貢献した金字塔を立てたいだけやん!としか思えず、質疑応答があったらCRCのための会議であろうともこんな医師に臨床試験をする資格があるのかと徹底追及したろうと思ったのですがその時間はなく残念でした。
総合討論で座長の宮田先生がさりげなく「希少難病とか希少がんには・・・」とフォローされていましたが、ご本人のあの5分のスピーチの前後をとっても、そうじゃないのは一目瞭然だったので・・・・。

以前、別のシンポジウムではありますが「医者はいいものしか患者に勧めないんだから臨床試験を勧められたら黙って同意すればいい」と言った偉い病院の副院長さん(当時)がいましたが、もうこういうヘルシンキ宣言(※)すら無視している医師ってなんなんだろう・・・。

患者さんを大切にできない人間は臨床試験する資格はないです!


夕方の教育講演は会場から溢れるほどのCRCさんたちが集まり、立ち見が何重にもなっていました。
そんな状況でも熱心に聴講してくださる姿勢に胸が熱くなりました。
CRCさんは臨床試験において多数の調整を受け持つ大切な仕事です。
CRCなどの臨床試験を支える多職種の方が機能することで臨床試験に多くの目が入り、そして信頼できるものになっていくと私は信じています。
そのためにこれからも患者として応援していけるよう頑張りたいと思います。
3年前かな、あり方会議で聖路加の日野原先生が「ゴーゴーゴーCRC!」とエールを送られていましたが私もエールを送りたいです。
あんなアンポンタンに負けずにがんばれー!!!!


※すべての医師がこのような勘違いしている人ではなく、キチンと臨床試験ととりくまれている医師も多いのですが、今回はあまりにも酷かったのでブログに書きました。

※ヘルシンキ宣言(Declaration of Helsinki)は、1947年6月、ナチスの人体実験の反省より生じたニュルンベルク綱領を受けて、1964年、フィンランドの首都ヘルシンキにおいて開かれた世界医師会第18回総会で採択された、医学研究者が自らを規制する為に採択された人体実験に対する倫理規範。 正式名称は、「ヒトを対象とする医学研究の倫理的原則」である 。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ヘルシンキ宣言
インフォームドコンセントについてもキチンと示されています。

2015年9月2日水曜日

【コラム】関西の卵巣がん患者のみなさんへ

いつもスマイリーの活動にご理解と応援ありがとうございます。
代表の片木です。

先日のサルでもわかる・・・は「難しすぎるわ!」と多数のツッコミありがとうございます。
関西人なので、ツッコミされるのは嫌いじゃありません。
(でも、決して性格はボケ側じゃないと信じているのですが・・・)
それだけ多くの方が真剣に読んでくださったんだろうなと嬉しく思っています。

さて最近、なかなか関西でオープンなおしゃべり会が開けていなく申し訳ありません。

そこで!9月5日(土)16時~開催されるリレーフォーライフ芦屋に、スマイリーの会員さんといっしょに参加しています。
http://rfl-ashiya.net/

私は、当日の朝、東京で仕事をして16時ギリギリになるかもしれませんが芦屋に伺い、そして翌日朝からまた東京で仕事のために18時半には失礼するかと思いますが、会場でフラフラしています!
東京のおしゃべり会とかだと人数も多いんでゆっくりおしゃべりすることはできませんが、芦屋ではさほど捕獲(?)されないのでゆっくり喋れるかと思います。

是非、歩かなくていいんで喋りにきてください^^
(私も今回はたぶんサバイバーラップの1周しか歩きません)

また、その時間は無理という方も、スマイリーのスタッフが会場に居ると思いますし、芦屋にはとっても温かい婦人科腫瘍のサバイバーのスタッフさんが何人かおられますよ。
土曜日の日中は語り合いの場がもたれるみたいですし、患者会に入るのは不安だけどちょっと話を聞いてみたいって方にはいいかもしれません。

なお
私たちスマイリーは、関西の患者さんとのオープンな交流の場として芦屋のこのイベントに参加しますが、RFL芦屋の運営内容他にはノータッチです。
会場での情報交換やその他イベント内容については参加するみなさんの責任でお願いしたいと思います。
(フリーなイベントの場合さまざまな方が来られることも念頭においていただけますようお願いします)

2015年8月23日日曜日

【コラム】サルでもわかる「混合診療」と「患者申出療養」

こんにちは。スマイリーの片木です。
いよいよあと1週間ほどで8月も終わりですね。

タイトルはふざけていますが、みなさんに知ってほしい真面目な話を書いています。
私のフェイスブックの投稿の転載なので分かりづらいところもあるかもしれませんが、お時間あるときに読んでいただき、こんな問題があるのだということを知っていただけたら幸いです。

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2015年8月21日、全国がん患者団体連合会(全がん連)と日本難病疾病団体協議会(JPA)が保険診療と保険外の自由診療を併用する混合診療の対象を拡大する「患者申出療養制度」に関して記者会見を行ないました。

共同通信の記事
有効、安全なら保険適用を 混合診療拡大で患者団体
保険診療と保険外の自由診療を併用する混合診療の対象を拡大する「患者申出療養制度」に関し、がんや難病の患者団体は21日、東京都内で記者会見し、有効・安全と確認した治療法は速やかに保険を適用するよう求める意見書を発表した。
患者申出療養は来年4月に始まり、厚生労働省の詳細な制度設計が来月にもまとまる。意見書は全国がん患者団体連合会と日本難病・疾病団体協議会が発表。有効・安全な治療法が患者申出療養のまま保険適用されないと、自己負担が軽減されず、経済力のある患者しか受けられなくなる恐れがあると指摘した。
http://www.47news.jp/CN/201508/CN2015082101001801.html

この共同通信さんの記事でもわかるように、「患者申出療養制度」と「混合診療」は極めて似ているので、ここから先は「混合診療」でほぼ表記を統一して文章を書いていきます。

「混合診療」は、一見、「患者がお金を出せばいい治療を受けられるいい制度」なのになぜ患者会は反対するの?

ここを解明しないと、患者会の声明を読んでも理解ができないのではないかと思い、サルでもわかる「混合診療」と「患者申出療養」を執筆しました。


1)保険診療について(お薬を例に)

みなさんが病気になり病院を受診するときに多くの方は病院の窓口で保険証を提示し3割負担で治療が受けられていると思います。
これは、治療に用いられる診察や検査、お薬などにかかるいろいろな費用を保険で賄う「保険診療」です。
保険診療において、薬が必要となる場合には、国が「その病気に対して有効性と安全性の観点から承認したお薬」が使われます。

お薬が承認されるためには

  1. 薬事法(現在は医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律:薬機法)に基づき製薬企業は治験を行い国に承認してもらう
  2. 企業が治験に乗り出さない場合は医師が薬機法に基づく医師主導治験を行い国に承認してもらう
  3. 医療機関が先進医療の手続きを厚生労働省に対して行う形で、患者に一部費用を負担してもらう形での臨床試験を行いそのデータを国が評価し保険収載する
  4. 国内外で有効性・安全性が示された臨床試験があり、企業が治験に乗り出せていない医薬品に関しては厚生労働省「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」に対して、学会や患者会が開発要望を上げ、そのデータを審議したうえで、必要に応じて公知(公にその医薬品に対して有効性や安全性が示されたデータがある)の事実がある場合は、製薬企業は治験をスキップする形で承認申請を行い、承認してもらう。
  5. 国内外で有効性・安全性が示された臨床試験があり、企業が治験に乗り出せていない医薬品に関しては厚生労働省「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」に対して、学会や患者会が開発要望を上げ、そのデータを審議したうえで、医療上必要性が高いと認められた場合は、国が製薬企業に対して開発要望をすることができ、企業はそれに応えるよう勤める(開発をすれば企業にとっても新薬創出加算をつけることで開発に応えればいいことあるよ。とした。)

など幾つかの方法があります。

はい、サルでも分かると書きながら、多くの読者の方はここで白目をむいていることと思います。
(ただ治療薬が欲しいと思ってる患者会のリーダーは上記を理解していなければお話になりません)

つまりは「臨床試験(治験)が行なわれて、有効性と安全性(副作用も含む)が示されたお薬」が、承認されているのです。

臨床試験と治験についてよく分からないわというかたは、手前味噌で申し訳ありませんが、卵巣がん体験者の会スマイリーが発行した「卵巣がん患者のための臨床試験ガイド」の11ページからに分かりやすく解説してありますのでそちらをごらんいただけましたら幸いです。
http://ransougan.e-ryouiku.net/bookfile/guide.pdf


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2)ドラッグ・ラグ
いっぽうで、がんに特化して話をすると、1999年12月にある問題が持ち上がりました。

広島県の新山さんが、当時非小細胞肺がんに対して承認されていたゲムシタビン(ジェムザール)が、すい臓がんに承認されていないために使えないとして運動を起こされました。
当時、がん患者が実名で顔をだしてテレビの前に出ることはほとんど無く、新山さんの運動は「未承認薬問題」として大きく取り上げられました。
その後、悪性リンパ腫、肝臓がん、大腸がんなどでも治療薬を求める声が途切れることなくマスコミを通じて報じられることになりました。
厚生労働省もこうした世論に応えるべく「未承認薬」や「抗がん剤併用」に関する検討会を立ち上げ動きました。
患者のこうした要望運動はどんどん加速度的になっていき、がん対策基本法が施行され、がん対策推進協議会に患者も参画するような動きに繋がる大きなきっかけとなりました。

2006年9月卵巣がんに対して「ドキシル」「ゲムシタビン」「トポテカン・ノギテカン」の3剤を求める要望運動がはじまりました。
ただ、卵巣がんについては、この3剤いずれもが他の疾患ですでに承認されているお薬であることから、当時厚生労働省で開かれていた「未承認薬検討会議」では範疇外という取り扱いでした。
同じ時期に、希少難病のムコ多糖症のご家族も海外の治験に日本の男の子が参加しているににも関わらず日本では承認されない問題を訴えられていました。
双方の問題を取材していた日本テレビのニュースリアルタイムが「ノーモア ドラッグ・ラグキャンペーン」を展開し、「海外で(その疾患にたいして)承認されているお薬が、日本では承認されない」時間差をドラッグ・ラグとして報じたことで「ドラッグ・ラグ」という言葉が広がっていきました。
つまり、薬にアクセスできない問題は「未承認」だけではなく「適応外(他の病気には認められているお薬)」もあるとしたのです。

厚生労働省も2010年に「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬」を立ち上げ医学会や患者会から要望を取り上げ、医療上必要性の高いと認められた薬を開発した企業に新薬創出加算(新しく出したお薬の薬価を2年おきに下げていたものを、しばらくは薬価を維持する)をつけるなどして開発を促進しました。
卵巣がんだけでもこの会議で、ゲムシタビン、ノギテカン、エトポシド、パクリタキセルの毎週投与法、ベバシズマブが医療上必要性が高いと認められ、現在承認されています。(私たちスマイリーが他に出した要望ではデキサメタゾンの従来の小さい粒粒は嘔気がある患者さんには厳しいので、粒を大きく数を少なくするという剤径変更も承認されました)

抗がん剤のドラッグ・ラグにはひとつの特徴があります。


  1. 卵巣がんに対するゲムシタビンを例に出していうと、
  2. アメリカで卵巣がんに承認されたのは2006年
  3. 日本では当時は非小細胞肺がん・すい臓がん・胆道がんに承認
  4. 2008年に上皮性尿路がん、2010年に乳がんに承認
  5. 2011年卵巣がんに承認

つまり、「他のがんで承認された抗がん剤が、長い年月を経た後に別のがんで効果があることが分かる場合がある」のです。

ですから、近年でもパンキャンジャパンさんがすい臓がんに対してFOLFIRINOX(5-FU+ロイコボリン+イリノテカン+オキサリプラチンの4剤併用)を求める署名活動を行なうなど、他のがんで使われていたお薬が時間を経て別のがんで要望されることが起きています。

ここで忘れてはいけないのは、これまでドラッグ・ラグで訴えてきた患者会の多くが国内外の質の高い臨床試験が実施され論文化されたり、米国NCCNのガイドラインに掲載されているなどのエビデンス(科学的根拠)がある薬の承認を求めている点です。

すい臓がんのFOLFIRINOXについても2010年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)フランスの研究者らが、PRODGE4/ACCORD11/0402試験の結果として、試験では当時すい臓がんの標準的治療であるゲムシタビン単剤に対して、ゲムシタビン抜きのFOLFIRINOX(5-FU+ロイコボリン+イリノテカン+オキサリプラチン)という4剤併用レジメンが全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)で大幅に上回ったという報告をしたことなど科学的根拠を集めたうえで要望をされています。


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3)混合診療とは
保険診療が、承認されたお薬などを使っての診療ということは理解していただけたと思います。

そして、ここまでのお話で、がん患者は「がんになったからどの抗がん剤でも使える」わけではなく、「有効性と安全性(副作用)を元にそのがんに承認された抗がん剤」が治療に用いられていることは理解いただけたと思います。

では、混合診療とはどういう事例があったのでしょう?

たとえば卵巣がん患者を例にとると2006年当時、ドキシルは世界75カ国で承認され、卵巣がんに対しては1999年にアメリカで承認され、NCCNのガイドラインにも再発卵巣がんの治療薬として掲載されているにも関わらず、日本では治験が行なわれている状況で患者さんは使えませんでした。

そこで、もう日本で承認された卵巣がんのお薬を使い果たしてしまった卵巣がん患者さんは、海外で広く使われているドキシル等を個人輸入をして治療したいと思うのは人情として仕方ないと思います。

でも、もちろん、ドキシルは日本では卵巣がんに未承認(2007年にAIDS由来のカポジ肉腫で承認されているので適応外)であることから、これまで治療を受けている保険診療を行なう医療機関では、混合診療となるために治療できません。

患者さんは、自費診療を行なってくれる医療機関を探して治療を行なうことになるわけですが、当然のことながらこれまで保険で受けられていた医師の診察、注射の手技料、吐き気止めなど保険で使えていたすべてが自費になります。

もちろんそうなると医療機関の言い値になりますので、例えばドキシル1回50万、その他の費用を含めるとトータル65万という値段になり、もちろん高額療養費等もうけられません(この病院はかなり良心的な値段だと個人的には思います)。

世界で承認されている(国内でもそれなりにデータがある)お薬を保険診療で多くの患者さんが当たり前に使えるようになってほしい。
また、これからの医薬品に関しては日本も国際共同の臨床試験に参画したり、日本発の質の高い臨床試験を実施し、有効性・安全性を評価し、患者のためになるものならばできるだけ速やかに開発、承認に繋げて欲しい。

「救えるいのちを救う」

この言葉を旗印に患者会のリーダーがドラッグ・ラグ解消を求めて何度も厚生労働省に要望を行なってきたのにはこのような理由があるのです

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4)ドラッグ・ラグがあるから混合診療を容認?~なぜ患者会は反対するのか~

3)の混合診療の段を読んだみなさんは、「ドラッグ・ラグがあるのであれば、承認されるまでの間、お金を払える患者は混合診療を容認すればいいじゃないか」「患者申出療養(混合診療)は名前のとおり患者が希望すれば治療を受けられるいい制度じゃないか」と思うかもしれません。
むしろ、混合診療に反対する患者会のほうが「救えるいのちを救う」ことを阻んでいるように感じるかもしれません。
もしくは薬を売りたい製薬メーカーの手先のように感じるかもしれません。

でも、そうではありません。

私も含めて、患者会が反対するには理由があります。
少なくとも私に関しては製薬企業から多額の寄付はいただいておりません。
知りたい方はスマイリーおよび私の毎年の収入を公開(http://ransougan.e-ryouiku.net/about.html)しておりますのでごらんいただければいいかとおもいます。

私の反対している理由を下記に示します。
※()内はひと言であらわすとこれってことです。
書式限られてるんで分かりづらい表記ですみません。


  1. すでに国内外で質の高い臨床試験が実施されているようなものに関しては承認されるほうが多くの患者さんが保険診療で治療にありつける。当然ですよね。すでにデータがあるものはわざわざ混合診療にして金をむしりとらずに保険で多くの患者さんが受けられるようにするのが国の務めです。(当たり前の治療は金をまきあげんと当たり前に承認しろや!)
  2. 混合診療で金さえ払えば治療を受けれるんだからいいだろう?として、混合診療にしたまま、その薬を評価せずにずーっと保険診療にしないでいたらどうなりますか?私たちは一時的な期間でもお金払ってなんとかなるなら・・・と思いますが、それをいつ評価して保険収載するか約束されなければ20年後も30年後もその薬は自費かもしれません。そうすると収入が少ない患者さんは有効だと思われる治療にアクセスできなくなるお金によるドラッグ・ラグが起きる可能性があるのです。(金持ちだけが治療にありつける日本になるのか?)
  3. その一定期間だけでもお金を払えばといいますが、国立がん研究センターのページ(http://www.ncc.go.jp/jp/about/senshiniryo/senshiniryo_01.html)にあるように開発が期待される希少がんや小児がんのお薬の多くの薬価が極めて高額であり、超セレブじゃないかぎり負担できる額ではありません。それならば臨床試験や治験を実施するなどの別の対策を取り、エビデンスを出し承認につなげる方がよりよいのではないかと考えます。(金持ちだけが治療にありつける日本になるのか?もっと別の方法が無いのか?)
  4. 卵巣がんであるお薬の開発を製薬メーカーに要望した際に言われたのは「卵巣がんは患者が少なく、もう特許が切れる(薬価が下がったり、ジェネリックが出てくる可能性がある)この抗がん剤で治験をしても儲からないんだよね」という趣旨の言葉でした(もちろんメーカーはそれを遠まわしにいうのですが率直にいうとこうだよね?みたいな)。年間約9000人が罹患するという卵巣がんでこれです。もっと患者数が少ない病気ならなおのこと開発にメーカーの腰は重いでしょう。じゃあ希少がんにAというお薬があり海外では一定の評価がある・・・患者さんは1クール50万くらいなら負担できるとなり混合診療となって使い続けられれば・・・たとえそれが有用というデータが積み重ねられてもメーカーは「患者は自費でつかってくれるし損は無いから開発しない」としていつまでたっても承認申請されず保険収載に繋がらない可能性があります。または「日本は命がかかるとお金払うから開発はあとまわしでいいや」として日本での治験が他の国で承認されたあとになりドラッグ・ラグがさらに悪化する可能性があります。(製薬企業の日本の開発離れを生むのか?)
  5. 3)の段で提示した、卵巣がんのドキシルや2)で提示したすい臓がんのFOLFIRINOXについては、科学的根拠がある治療でありますが、一方で日本では質の高い臨床試験を行っていないとおもわれる未承認の治療が「●●療法」などとして、高額で患者に施されている現状があります。また卵巣がんはベバシズマブが承認されていない頃ではありますが、一部の自費診療クリニックにおいて、ベバシズマブの治療を希望する患者さんに「ソラエフェニブ(腎臓がんのお薬)+オキサリプラチン(大腸がんのお薬)+ゲムシタビン(卵巣がんに既承認薬)+ベバシズマブ」という治療で1クールで200万近いお金を請求されるというようなことが起きていました。オキサリプラチンは婦人科のある臨床試験グループが臨床試験を実施していますがまだ卵巣がんに対して有効性安全性のほどは分かりませんしソラフェニブに対しても同様です。患者申出療養に関しては当初どこの医療機関でも混合診療ができるような話になっていたために、科学的根拠のない(場合によってはイチャモンや呪いに近い)治療と併用されるのではという懸念もあり患者会は猛烈に反対しました。その後は実施医療機関を絞ることや専門家による審査を経るなどということになりましたが混合診療解禁と簡単に言ってしまうとこのような科学的根拠の低いものに対して野放しになる可能性もあり、患者さんがむしろ予期せぬ有害事象などで不利益を多く受ける場合もあるのです。(対象となる医薬品の質をどうするのか?)


こういった問題をクリアにしないと、結局は「治療を受けたい」ということで制度を容認したために、我々が「適切な治療を受けられない」不利益を受けるブーメランのような事態が起きるのではないかという懸念があるのです。

かつて、先進医療であったLAK療法が、”多くの患者さんに対しては効果が見られなかった”として取り下げられました。
でも、自分には効果があったのに混合診療が認められない・治療が受けられないのは不利益だとして、ある患者さんが裁判を起こされたことがあります。
実際、この裁判は医学的根拠は現行の医療制度、海外の医療制度、患者さんの人権・・・困難を極め、最高裁まで争われ大きなニュースになりました。

私は「LAK療法が、その人には有益であったのかもしれないけれど、多くの患者さんにとっては不利益だったことや、上記に示した懸念から”混合診療を安直に解禁することは患者が不利益をうける”」として反対しました。

でもここまでの文章をすべて伝えてくれる媒体はもちろんないわけで、「反対しています」というひとことコメントが紙面に載る事から、藁にもすがる思いで治療を待ってる患者さんから「殺すきか」などバッシングを受けました。

でも簡単に反対しているのではなく、


  • 患者さんに必要なくすりは患者さんに届くようにしてほしい
  • 一方で、患者さんに大きな不利益になる可能性があるものも含まれる可能性があるのでそこに対する対策をしっかりしてほしい


と、むしろ


  • 救えるいのちは救う
  • でも、イチャモン治療は入らないように、(未来の患者も含めて)患者の負担もできるだけ少ない形にして欲しい


訴えていることは理解してもらえると思います。

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5)頭から混合診療を反対しているわけではない

では、私たちがんの患者会はどういう意見を出しているのか。
決して私たちは無策で混合診療反対!を掲げているわけではありません。

●特許切れの薬に関しては混合診療できるのではないか
先の項にも書いたように、抗がん剤では、最初にその抗がん剤があるがんに承認されてから、長い時間を経て、別のがんに効果が見られる場合があります。
お薬には特許期間があり、その期間の間は先発品メーカーがシェアを独占できますが、その後はジェネリックがでてきます。

つまり、ジェネリックが出てしまってるもので、患者が少ないがんに今更科学的根拠を示されてもメーカーは開発に乗り出すうまみは無いのです。

例えば医薬品医療機器総合機構に開発に当たって相談に行ったり、承認申請をしたりするわけですが、相談や申請に高額な費用が発生します。
もちろんメーカー内で承認のための書類を作るのにも多くの人やお金が割かれます。

先に例示したすい臓がんのFOLFIRINOX(5-FU+ロイコボリン+イリノテカン+オキサリプラチンの4剤併用)は、古いお薬であり、ましてや医薬品メーカーがばらばらでした。
A社が治験しましょう!といってもB,C,D社が賛同してくれるかというと難しく、患者会は相当苦慮されていました。
これはメーカーが悪いわけではなく、メーカーもボランティアで仕事をしているわけじゃないので当然です。

悪性リンパ腫もドラッグ・ラグは深刻であり、その原因のひとつが、悪性リンパ腫が詳細にわけると何十種類もタイプがあり、それぞれのタイプに承認をとっていく形に現在なっていることがあります。
悪性リンパ腫のなかには超希少なタイプの方もおられます。
その何十種類すべてに特許切れの医薬品で治験をして、申請するなんて製薬企業に到底無理です。
それならば特許切れのお薬を患者さんに負担していただき・・・ということも考慮できるかもしれません。

分子標的薬はともかく、FOLFIRINOXのようなお薬や、シスプラチンやパクリタキセルなどのようなお薬であれば一部患者負担になっても、患者さんが負担する額は数千円~数万円で済む場合もあり、また、製薬メーカーがそのお薬の開発に乗り出せないのもわかるので、混合診療という形で(もちろん、そのデータをしっかりとって評価し、将来保険適用につなげることを約束する形)実施するのもいいのではないかと個人的には考えています。


●最先端医療迅速評価制度など既存のものをもっと進みやすくする
また高額な薬剤で、メーカーが乗り出さない場合は、いちいち患者申出療養という新しい制度を作らなくても、先進医療があります

先進医療とは、承認されてない部分を患者さんに負担してもらうという形で臨床試験を行い、将来の保険診療につなげるようにする制度です。

ただ、先進医療は、

  1. 医療機関が申請するために、その治療が受けられる医療機関が限られること
  2. 申請や薬剤費の管理など医療機関の負担が大きいこと
  3. 先進医療を実施するまでの審査に時間がかかること

など問題点も指摘されていました。

実はそのために、薬機法を施行する段に、グループネクサスジャパンとスマイリーで厚生労働省にお伺いし、抗がん剤に対しては現行の先進医療では進まないということと、そのために先進医療について特段の対策がいるのではないかと提案させてもらいました。
中医協でもご検討いただく形で「最先端医療迅速評価制度」というものを儲けていただきました。


  1. 全部の疾患を先進医療で検討していては時間がかかるので、がんだけ外出しにする。
  2. がんの専門家で抗がん剤の必要性を検討するため、迅速に先進医療の必要性を検討できる。
  3. また、これまで先進医療を実施したことが無い(先進医療を実施したノウハウが無い、臨床試験体制が不十分)な医療機関については国立がん研究センターが支援を行う形で乗り出しやすくする。

という方向性で作ってもらいましたが、実際は「医療上の必要性の高い未承認薬適応外薬検討会議」で必要と認められて1年以上開発に乗り出せない薬だとか制限がガチガチにかかっており、一昨年に1回、会議を形式的に国立がん研究センターが行なっただけで、委員の先生から「どういう意味がわからない」「誰もやりたいとおもわない」と意見が堂々とでてしまい、挙句の果てに、その後に開催されなくなったという残念なことになってしまいました。
我々も出てきた運用案が中医協で承認されたものからはるかに後退して、運用しづらいものになっていたことに目が点でした。

でも、先進医療Cをいまいちど見直すなどすれば、わざわざ患者申出療養などというものを作らなくてもいいのではないかと思います。

ただ、そのためには先進医療をもう少し医療機関が乗り出しやすい形にすること、また先進医療が促進されるよう、もっと研究にお金が投入されることが必要になります。


●医薬品アクセス制度
海外にはコンパッショネートユース(CU)という名前で、また各国方法はバラバラなのですが、患者さんの生命的倫理に基づき、人道的観点から未承認薬を提供することが一定のルールの中で行なわれています。
詳しく知りたい方は津谷喜一郎先生の「日本で承認されていない薬を安全に使う -コンパッショネート使用制度」という本を買って読まれるといいと思います。

CU制度を用いる際には、そのお薬で患者さんが命を縮めることができるだけ無いように、質の高い臨床試験同様の審査があります。
またそのデータは蓄積され、有害事象の情報などは将来のために活かされますが、患者さんが病状が進行しているということも考慮した上で、治験や薬事承認といったものに影響が無いようにしています。
また、CU制度があるからとして、製薬企業が治験をしないということが無いように、CU制度に患者が殺到してしまい治験に患者が集まらずに阻害されるということがないような配慮もされています(つまり、治験に入れる患者さんは治験にはいってもらうことが前提)

日本でもそれを導入しないといけない状況にきてるのではないかとして、2011年に開催された厚生科学審議会医薬品等制度改正検討部会(いわゆる薬事法改正を検討する場)で訴えさせていただき、厚生労働省も必要性を認めて医薬品アクセス制度というものがパイロット的に始まっています。
私自身、制度改正検討部会の委員でありパイロットにも関わっているので話しづらい部分もあるので詳細は割愛しますが、ひとつだけ例にあげると、GISTにスチバーガーの承認が部会で了承された時に、実際にその後、患者さんに届くまでに幾つかの手続きを踏む必要があるので時間がかかります。
その時間がGISTの患者さんに対しては待てない時間でもあったために、アクセス制度を用いて、国立がん研究センター東病院など一部の医療機関で人道的観点から前倒しで使えるようにという試みも実際に行なわれています。

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結局サルでもわかるといいながら、たぶん、しろめを向く人が99%じゃないかと思う文章になりました。

また、この問題には多くの既存の制度や法律が絡んでいるので、厳密にいうともっと難しくなる部分が多かったのですが、サルでもわかるとしたかったために、かなり端折ったり簡潔にしてるため、重箱の隅をつつき始めるといっぱいボロがあります。

全がん連さまが出された要望書(http://zenganren.jp/?p=360)とは若干違う事柄も入ってはいますが、全がん連さまの要望に対して私は同意しています。
本当に感謝を申し上げるとともに、少しでも混合診療に対して知ってくれる人がおられたら嬉しくもありこの文章を書きました。
もちろん、すべてのがん患者さんが、全がん連の要望書を読み、わが事として考えてくださることを祈ります。

「患者申出療養」を今更作る必要がないと上記では論じていますが、もうこれは決定されており不可避であるため、国に対しては、患者が懸念している点などを考慮していただいてより「救えるいのちを救う」大切な制度を構築してくださることを願っていますし、私たち患者会も声を上げ続けなければなりません。

一見、お金を出せば誰もが治療を受けられる制度のように思いますがリスクがたくさん含まれていること。
それよりは、「患者にとって有益と思われる治療は速やかに保険適用」されることが多くの患者さんにとって益がありそれが第一であることを知ってほしいと思います。

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【関連リンク】
全国がん患者団体連合会(全がん連)
http://zenganren.jp/

日本難病疾病団体協議会(JPA)
http://www.nanbyo.jp/

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxselect.cgi?IDX_OPT=1&H_NAME=%96%F2%8E%96%96%40&H_NAME_YOMI=%82%A0&H_NO_GENGO=H&H_NO_YEAR=&H_NO_TYPE=2&H_NO_NO=&H_FILE_NAME=S35HO145&H_RYAKU=1&H_CTG=1&H_YOMI_GUN=1&H_CTG_GUN=1

先進医療
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/sensiniryo/

最先端医療迅速評価制度
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000372bk-att/2r985200000372k2.pdf

医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-iyaku.html?tid=128701

日本テレビのドラッグラグのページ
http://www.dai2ntv.jp/news/druglag/

独立行政法人医薬品医療機器総合機構
https://www.pmda.go.jp/index.html

日本で承認されていない薬を安全に使う -コンパッショネート使用制度
http://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%A7%E6%89%BF%E8%AA%8D%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%AA%E3%81%84%E8%96%AC%E3%82%92%E5%AE%89%E5%85%A8%E3%81%AB%E4%BD%BF%E3%81%86%E3%80%80%EF%BC%8D%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%83%88%E4%BD%BF%E7%94%A8%E5%88%B6%E5%BA%A6-%E5%AF%BA%E5%B2%A1%E7%AB%A0%E9%9B%84/dp/453598350X/ref=sr_1_4?ie=UTF8&qid=1440308954&sr=8-4&keywords=%E6%B4%A5%E8%B0%B7%E5%96%9C%E4%B8%80%E9%83%8E

2015年8月10日月曜日

【コラム】第57回婦人科腫瘍学会に参加しました

いつもスマイリーの活動にご理解と応援をいただきありがとうございます。
代表の片木です。

2015年8月7日(金)~9日(日)まで盛岡地域交流センター「マリオス」と、いわて県民情報交流センター「アイーナ」で開催された、第57回婦人科腫瘍学会学術講演会(学会長:岩手医科大学産婦人科学講座主任教授 杉山 徹先生)に参加しました。

(学術講演会は医療者の研究発表・学びの場であり一般の患者さん・ご家族向けではないため患者さん、ご家族がご自身の病気について情報を得たいというときは市民公開講座などにご参加くださいね。)




卵巣がんのセッションを中心に、支持療法(嘔吐・悪心について)や緩和ケアについてのセッションで3日間どっぷりと学んできました。
スマイリーの会員さんには会員専用SNSで、別途簡単なトピックスをお伝えしますね。

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ひとつ、このコラムの読者のみなさんにもトピックのおすそ分けですが、今回の学術講演会会長の杉山先生の会長講演を聞いてきました。

私たちはいま「標準治療」としてパクリタキセルとカルボプラチンの併用療法を受けていますが、こうした標準治療が決めるために「臨床試験」が不可欠です。

これまで「標準治療」としてきたものと、更なる効果が期待できるかもしれない治療の効果と副作用を比較する試験を行います。

多くの患者さんに説明をして同意をいただき、その患者さんを偏り(年齢やがんの進行期、体調など)が無いようにランダムに振り分け、治療を行い比較することで本当にその治療が効果があるのか副作用はどういうものなのかが分かってきます。

杉山先生は、日本人に特に多い卵巣明細胞腺がん(clear cell carcinoma)に対しての臨床試験の必要性を伝え、情熱をもって日本人の卵巣がん患者さんのために臨床試験にとりくまれてきた先生です。
※日本では明細胞腺がんの発生頻度は卵巣がん全体の25%で欧米の8%と比べて極めて高いがんです。


JGOG3014という試験で、標準治療であるパクリタキセル+カルボプラチンの併用療法と、イリノテカン+シスプラチンの比較試験を行い、無増悪生存期間(PFS:病勢の進行が見られない状態で患者さんが生存している期間)において、イリノテカン+シスプラチンが、劣っていない可能性を示されました。

それを元に、今度はより多くの患者さんに協力していただき、JGOG3017試験でイリノテカン+シスプラチンが標準治療であるパクリタキセル+カルボプラチンよりも有効かどうかの比較試験を行いました。

その結果が先日米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表されました。

結果としては、優位とは示されなかった(効果に差がなかった)のではありますが、これにより、シスプラチンは強い吐き気などが予想されることから、(特段の理由の無い)卵巣明細胞腺がんの患者さんには、標準治療は従来どおり行なわれています。

効果に差がなかったという結果を今知って少し残念に思われた患者さんもいるかもしれません。でも、こうしたしっかりした臨床試験で結果(論文)を出すことで、「~が良いと個人的におもうよーといった思い込みの治療」ではなく、「多くの患者さんに対して効果があった(副作用がどうだった)という科学的に根拠のある治療」を私たちが受けることができるのです。
世界的に、そして明細胞腺がんの患者さんにとって大きな意義のある臨床試験でした。

杉山先生は、英語でこの研究についてご発表されました。
日本人に明細胞腺がんが多いんだから日本の医療者が取り組まないといけない、まさに「救えるいのちを救うために」取り組まれてきた熱い思いに患者として何度も目頭が熱くなりました。

こうした杉山先生の熱い思いが、若い先生方に伝承されることでこれからも多くの研究が進み、医薬品が承認されたり標準治療が作られていくことを改めて感じました。

ちょっと難しいお話だったかもしれませんが、日本は世界に比較して臨床試験の数も論文の数も少ないという話は厚労省の審議会など出もよく提示されます。

でも、米国臨床腫瘍学会(ASCO)では婦人科がんで口頭発表できる良い研究は10もないのですが、そのうち1つか2つを必ず日本の婦人科医が担っていることはすごいことだと感じています。

今回の学術講演会では、日本の研究者だけではなく、海外の研究者の先生方も多く参加されていて、英語だけのセッションも多かったことが特徴的でした。

また、多くの先生方と臨床試験について話をすることができました。

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埼玉医大国際医療センター婦人科腫瘍科の藤原恵一先生とは、「Globe-Athon Japan2015」の打ち合わせをしました。


Globe-athon(グローバソン)は、社会に対して婦人科がんをひろく知っていただくことを目標に、国際婦人科がん啓発運動(GCAM)の呼びかけにより始まった取り組みです。
初回は2011年に米国ワシントンD.C.で開催され、現在では世界約80ヵ国で行われるほどの大規模なイベントとなっています。

日本では2013年に第1回を開催して皇居の周辺を24時間ウォークリレーをしましたが、今年はより患者さんに婦人科がんをひろく知っていただけるセミナーを開催する方向で話を進めています。

盛岡での打ち合わせということで「ぴょんぴょん舎」で盛岡冷麺を食べながらのキックオフミーティングでしたが熱いいい話し合いができました。

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今回、婦人科腫瘍学会には、福島のひいらぎの会の鈴木さん(スマイリーの立ち上げ時に副会長としてご尽力いただきました)、いつも国の政策に関して一緒に考え取り組んでいるパンキャンジャパンの眞島さんキャンサーソリューションズの桜井さんもご参加くださり、これからますます連携が深まりそうです。

多くの先生方ともいろんなディスカッションができました!

スマイリーではおなじみ(?)の勝俣先生には、私の読み込みすぎて付箋だらけになっている本にサインいただきました。
医療否定本の嘘」は卵巣がんについても触れられているので是非患者さんに読んで欲しい一冊です。
また学会で医師向けの「誰も教えてくれなかった婦人科がん薬物療法」という勝俣先生の新刊を買いましたがあっという間に売り切れてました。


また、 婦人科腫瘍の緩和医療を考える会のセッションでは発言の機会をいただきありがとうございました。
突然のことでアワアワしてしまいましたが、貴重な機会をいただき患者の思いを伝えられたことに感謝しています。

スマイリーにお声掛くださった先生方、患者会のみなさまに心から感謝します。

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最後に、食いしん坊の片木は学会終了後はホテルにこもらずに食べ歩いていました。




うえから、「ぴょんぴょん舎」の冷麺、「松の実」の雫石のミルクで作ったアイス、「盛楼閣」の冷麺、最後に岩泉のとろ生プリン(岩手のスイーツ一般投票ナンバーワンだったそう)。
写真を撮るのをわすれましたが、じゃじゃ麺や岩手牛の焼肉、奥州ポテトなども食べました。

二日目の夜、食べ歩きのあとに見た盛岡の花火は綺麗で、ウォークマンで大好きなSupercellの「うたかた花火」という曲を聞きながら見上げていました。

長くなりましたが、最後までお読みいただけたみなさま、ありがとうございました。
(連載記事ではいつも1文字ひねり出すのにウンウン難産なのですが、コラムは「長いよ!」と突込みがくるほど毎回長いです。)

2015年8月5日水曜日

【コラム】スマイリーのおしゃべり会(オフ会)

いつもスマイリーの活動にご理解と、応援いただきありがとうございます。
スマイリー代表の片木です。

8月7日(金)から盛岡市で第57回婦人科腫瘍学会が開催されます。

我が家の玄関にはすでに学会の準備バッチリのトランクが準備されています。

ほら、乙女座のA型だから、余裕を持って準備したのよ・・・といいたいところなのですが、実は学会は明日(6日)からだと思い込んでいました。
間違えて明日盛岡入りしていたら野宿でした(大げさ)。

宿泊予約していたホテルの予約番号とかをプリントアウトしていて勘違いに気づき、未だに冷や汗とドキドキとともに、この思考停止状態のわが身がちょっと悲しんでいます。
あー危なかった!

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さてさて、スマイリーでは年に数回おしゃべり会を開催しています。

スマイリーは基本的に交流はSNSというインターネットのコミュニケーションサイトを利用しているため、おしゃべり会を、オフラインで集うことから「オフ会(オフラインミーティングの略)」と呼んでいます。

秋の予定も決まってきており、

【関西】
●9月5日(土)-6日(日)に開催されるリレーフォーライフ芦屋で一緒に話しましょう!
●9月11日(金)私が仕事で神戸に行きますので、お茶しましょう!

【関東】
●11月7日(土)都内でおしゃべりしましょう!

となっています。
関東は会場の都合上、会員さん以外は厳しいかなぁと思いますが、9月5日のリレーフォーライフの会場では青空の下、来場された方々が自由に交流できますので、是非是非遊びにきてください。


スマイリーの横断幕と、スマイリーTシャツが目印です!
毎年「婦人科がんの患者です」「実は卵巣がんで・・・」と会いにきてくださる方がいるのでとても嬉しいです。私でも、他のスタッフでも構いませんので気軽に喋りかけてくださいね^^。
(リレーフォーライフって歩くイベントのように思って、体力的にちょっと・・・と思われるかもしれませんが、私、毎年ろくに歩いていません!一緒に喋りましょう!)

どうでもいい話ですが、写真は4年前・・・30代の自分が若い!とおもったのもありますが、息子がオッサンじゃないことにビックリしました。身長はとっくに抜かれています。

2015年8月3日月曜日

【コラム】先日投稿した「前向きは周囲が求めるものではない」への反響

8月に入りましたね。
デブに夏は辛い!といいつつ、夏バテ知らずで1ミリも痩せないスマイリー片木です。
いつもスマイリーのホームページに足を運んでいただきありがとうございます。

この時期になると、不思議とスマイリーのメールアカウントには患者さんからの「ウィッグ対策珍プレー好プレー」のお話が届きます。

毎年、送ってくださる方は違うのですが、きっとスマイリーに相談してこられる患者さんに「こういう工夫してみてよかったっていうのを伝えて!」「こういう対策は危ないわよ!」ということを、事例として教えてくださってるのかなぁ・・・と思って感謝の気持ちをお返事したら、「違うわよ、誰かに喋りたくても気安く話せないじゃない。でも聞いて欲しかったの!」といわれてなるほど!でした。

でも本当にウィッグって暑い!ですよね。
そして、夏ウィッグのみなさんの工夫は年々進化していくのかもしれません。

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さて、先日投稿した「前向きは周囲が求めるものではない」のコラムにたくさんの反響をいただきました。

フェイスブックのシェアやツイッターのリツイートがとても多くて驚いています。
また、シェアしてくださったみなさんのところに入ったコメントなども興味深く読ませていただきました。

スマイリーへ直接いただいた反響もありました。

そのなかのひとつを許可をいただきご紹介します。

「キラキラ前向き」とは逆に、「かわいそう」を求められることもあるんですよ!
私は吐き気などの副作用もさほど無く、抗がん剤治療をしながらでも日常生活を送りつつ、趣味も楽しんでいます。
でも、会社で別の(部位の)がんのサバイバーでもある先輩から「ケモって辛いでしょ、髪の毛抜けて辛いでしょ?無理して笑わなくていいのよ!私わかってるから!」などとかわいそうな人を見るような表情でいわれて辛いです。

なるほど・・・。

●「あなたはこうだから」と決めつけたような言葉
●状況を決めつけて、選択肢はこれしかないと断言されること

が、患者さんにとっては辛いのかもしれません。
しんどいときは、しんどい。でも、楽しいときは、楽しい。

「そのひとらしさ」を大切にしてもらえると嬉しいですよね。

そういえば昔、患者さんに言われたことがあります。
「卵巣がんのAさん」ではなく、「Aさんは卵巣がんを経験してる」くらいなら生きやすいのに。

日本語苦手なので(?)うまく伝えられませんが、なんか病気を見てるか、その人を見てるかみたいなことなのかもしれません。


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そういえば、2011年に「卵巣がん患者家族アンケート」というものをスマイリーでとったことがあります。

その時に、医師とのコミュニケーションで興味深かったのが
「先生があまりにもコミュニケーション下手なので、自分が先生を育ててる」
っていう患者さんの言葉。

アンケートは無記名なので、もちろん誰かわからなかったのですが、後日、患者さんとお会いしたときに「あれ書いたの私なの」とお話くださいました。

どんな風に育てたんですか?と興味むくむくでその患者さんとお茶をしながらお話をしたのですが、
「怒らせちゃダメ・・・そこがポイント」として、「こういう解釈でいいですか?」「こういうことですよね?」とちゃんと端的に分かりやすくして聞き返すの。
すると医師もちゃんと伝わってなければ「この人にどうやったら伝わるかな?」って考えるし、「そう、そのとおりです!」って医師がいったときには、「先生、こういうほうが分かりやすいわよー」って笑顔で言ってあげるの・・・と。

もちろんこれは、担当医師と患者さんとの人間関係が良好だからかもしれません。
また病気の件でバッドニュースのときなどは患者のほうがそんな余裕は持てませんよね。

でも、「あぁ・・・残念な対応だなぁ」って思ったときに、もし余裕があれば、そういうアプローチができれば、相互の成長にも繋がっていいのかもなぁと思ったりもしました。

(まぁ個人的には、患者さんに「TCがPDですね(※)」といっちゃうような医師もまだいるわけで・・・何十年もそんな説明をしていた先生が変わるかというと・・・とは思います。)
(※)PD : 進行(progressive disease):簡単にいうと既存の病変の明らかな増悪なので、「TCがPDですね」と患者さんに伝えた医師は、「タキソールとカルボプラチンの併用療法が奏効していない」ことを伝えたかったのだと思いますが、患者さんは「うちの主治医が話していることは宇宙人の言葉のようだ」とおっしゃってました。

余談ではありますが、その患者さんが育てているという先生が、市民公開講座でお話されているのを数年ぶりに拝聴しましたが、お話がとても上手になっていました!

と、話がそれてしまいましたが、私たちも患者1年生からはじまります。医療者も医療者1年生からはじめています。相手が何年生かわからないから厄介ではありますが、きっとお互い、いろんな経験をして「その人らしく」を考えられるようになっていけばいいですね。

もちろん私も患者会としてはまだまだ未熟ですので、会員さんや応援してくださる皆様の叱咤激励を旨にちょっとずつ成長していきたいと思っています。

辛いことはスマイリーの仲間に話せばちょっと軽くなる。
嬉しいことはスマイリーの仲間に話せばより嬉しくなる。
そんな患者会でありたいなーと思います。

2015年7月31日金曜日

【コラム】前向きは周囲が求めるものではない

こんにちは。スマイリー代表の片木です。
コラムがたいへんご無沙汰になってしまいました。

気がつけば、1年の半分以上が過ぎ、毎月のように各種学会が開催される時期となりました。
私も、来週開催される婦人科腫瘍学会などいくつかの学会に参加します。

コラムをお休みするのは、単なる「あ、今度でいいか」という自分の甘さで忙しいからではないのですが、これからも不定期にですが投稿は続けていきますのでよろしくお願いいたします。


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よく、患者さんからのお話を伺っていて耳にするのが「キャンサーギフト」という言葉。

これを患者さんたちはどういう意味でつかってるのかなぁとお話を伺う過程で興味深く聞いていると、
「がんになったからこそ出会えた人がいる」
「がんになったことで、人の痛みに気づき優しくなるなど自分が成長した」
「がんになったことで、多くの人に支えられてると気づいた」
みたいなことが大半かなぁと思います。

また「がんになって、人生って限られたものだなって感じて、これまでやりたかったけど先延ばしにしていたことにチャレンジします!」といって、マラソンや山登り、アフリカ旅行にマチュピチュ旅行・・・そんな患者さんもいます。

日ごろから患者さんと接していて、こうした患者さんの気持ちの前向きスイッチがはいたことは「うんうん」と頷きながら聞いています。
そういう患者さんが自分の気持ちの持ち方を「キャンサーギフト」と表現するのは、「そういう風に気持ちの持ちようを考えて生活できてるのはいいことだね」とニコニコして聞いています。

もちろんそういったキャンサーギフトを感じる患者さんだって前向きになるときもあれば、ちょっとしたことでドーンと落ち込んだり涙したりする時間もあることは知っているし、私もそういう日があります。

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東京卵巣がんフォーラムで講演くださった桜井なおみさんの講演にもありましたが、人生において衝撃的な出来事に直面したときに気持ちのベクトルが、上向きになるひと、下向きになるひとがあること「レジリエンス」ということを学びました。
下向きになるひとの背景はその衝撃的な出来事のほかにも実は別の悩みを抱えていることもわかってきているというお話を伺いました。
上向きになる、下向きになるは、病気の重さなどで決まるものではないと。
その人には病気以外にも、家族のこと友人のことなどの人間関係や、収入、仕事、家事・・・いろんなことがありますものね。悩みが複数かぶることもあります。
また患者さんの辛い気持ちを聞いていると、ご本人はがんの辛さを話している形でも、実際掘り下げていくと、職場との関係がうまくいっておらず、少し無理をしてでも仕事に行かれているそんな部分も大きく影響してるのかなと感じることも。

実は昨年、慈恵医大の看護師さんと卵巣がん患者さんの意思決定に関する研究をさせていただいたのですが、その研究でも、患者さんの気持ちに関する部分は、早期がんだから、進行がんだからでは測れないことがわかりました。
早期に発見され、その後の予後がたとえよくても、ものすごく気持ちが辛い患者さんがおられるので患者さんと向き合うときにはその患者さんが1期だからとか4期だから、初発だから再発だからって見方はしないようにしようと思ってます。
辛いものはつらい!ですもの。

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患者さんご本人からはOKをいただいているので、少しお話を紹介しますが、ある患者さんからお電話をいただきました。

彼女は卵巣がんになったことで気持ちの落ち込みが強く、外来化学療法室で治療をしているときに急に悲しくなり涙を流してしまったそうです。

それに気づいた外来化学療法室の医療スタッフの方が、声をかけてくださったそうですが、彼女の話を聞いてかけた言葉が
「泣いても笑っても同じ時間だから、笑いましょ」
「がん患者さんでもマラソン走ったり、山を登ったり前向きに頑張ってる人もいるじゃない」
「Aさんも気分転換に体調いいときに体動かすなど前向きにね」
などなどといった言葉だったそうです。

医療スタッフの方に悪意が無いことは彼女もわかっています。
励ましてくれたことに感謝してなんとか笑顔をみせたものの
「私は落ち込むことも許されないのか」
「医療スタッフの方にイラッとするのは自分が卑屈なのか」
と苦しくなったと・・・。

そして紹介された関西の患者会に電話したら
「泣いていたらいつまでもそのままよ!」
「こんど●●山にハイキングに行く集まりがあるからいらっしゃい!喝をいれてあげるわ!」
と言われたそうです・・・。
まぁ患者会にもいろいろあるし、こんな公開の場で偉そうなことを言うなんて小心者の私にはできませんが、思わずGoogleでその患者会の代表者がどんな方か検索してしまいました。

そして彼女に「辛いものはつらいし泣きたいときはいっしょに泣こう」と話したらしばらく泣いておられたので、ただ黙って付き合いました。

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私は、患者さんが不安になったり落ち込む時間は大切だと思っています。
そこで、自分の病気と向き合ったり、どうしたらいいのかなって考えるひとつのきっかけにもなるから。
1期であろうと不安なものは不安でいいんです。

そこで、私がお手伝いできるのは、「どんな患者さんでも不安になることはある」と受け止めた上で「じゃいっしょに考えようか」と交通整理をするお手伝いだけです。
私は医療者じゃないので治療法を決めたりはできないのでできることはそれだけです。

患者さんは優しいから、周りが前向きを求めると笑ってしまいます。
でもそれは前向きじゃないですよね。我慢です。

そしてね、患者さんが前向きベクトルを働かせることを周囲が求めちゃダメなんだと思うんです。

もちろんマラソンが好きで走るならいいと思います。
山登りが好きで登るならいいと思います。
私の、キャン友のなかでも、走ったり登ったりの患者さんはおられます。
中にはトライアスロンにチャレンジする方も。
でもそういった方たちでも落ち込むことあると思います。

有名人でもがんを公言して活躍されている方がいます。
そのキラキラした部分だけをみて、私たちにキラキラすることを求めないで欲しいなと思います。

一部患者さんの中にも自分がいま元気でいる理由を「神さまに生かされた」なんて鳥肌が立つようなキラキラ表現をされる方がおられて、「じゃあがんで亡くなる方は神様に見捨てられたのでしょうか」と毒を吐きたくなりますが、まぁそういうキラキラ信者は、そういうキラキラしていることで自分を保ってらっしゃるのかなと生温かく見守っておけばいいのだとおもいます。

と、話がいつもどおりあちゃこっちゃ行ってますが、患者のみなさん!
「落ち込んだっていーんです!」
「不安になったっていーんです!」
「泣いたっていーんです!」(川平慈英風)

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ただ、一方で「気持ちがつらい」とご相談いただいていても、途中で支援をすることをやめてしまう場合があります。

どういう場合かというと、「医療的支援がその患者さんにベストと思う場合」が大半です。

患者会に聞いているのだからと一時的に安心されるのですが、悩まれていることは医療的なアプローチが必要なことなのですぐに不安になり、日に何度も連絡をしてこられます。
もちろんこちらも、こちらは医療者じゃないので交通整理しかできないこと、ここから先は主治医にご相談いただきたいことなどをお話しするのですが、電話で話がすむ手軽さからか、そういった患者さんはずっとこちらに電話することをされます。

申し訳ないのですが対応し続けることは患者さんの依存を生み、患者さんのためになりませんので電話には出ないようにしています。

あとは、やはり人としてどうかと思う場合ですね。
常識的ではない時間の電話、患者会なのだから患者につくして当たり前(会員じゃない方なので会費すら払ってくれないひとに何で尽くさなきゃならないのかと笑いたくなりますが)、ストレスのはけ口として罵詈雑言を浴びせる人・・・そういった場合は二度と電話には出ません。

またカルト宗教などへの勧誘ですかね(意外と多い)。

まぁ、こういう1年に何度かある特殊な例は別ですが、私たちスマイリーは理念として「活動のすべては卵巣がん患者さんのために」としていますので、それを忘れずに日々頑張っていけたらいいなと思っています。

2015年7月16日木曜日

【お知らせ】スマイリー事務局休業のお知らせ

いつもスマイリーの活動にご理解いただきありがとうございます。



  • 7月17日~20日
  • 8月5日~10日、31日
  • 9月11日~13日


は、都合によりスマイリー事務局はお休みさせていただきます。

お電話やメールによる対応はできませんのでよろしくお願いいたします。

2015年5月26日火曜日

【報告】東京卵巣がんフォーラム2015

いつも卵巣がん体験者の会スマイリーの活動にご理解いただきありがとうございます。
スマイリー代表の片木です。

東京卵巣がんフォーラム2015は、あいにくの雨のなかでしたが、多くの方に足を運んでいただき開催されました。



講師の先生方のお話は卵巣がんと向き合う上でとても勉強になるものばかりでした。
(桜井さん)

(喜多川先生)

(勝俣先生)

(藤村先生)

ボランティアブースにはスマイリーのボランティア部のみなさんからの手作り品がたくさん。
多くの来場されたみなさんに手にとっていただきました。
そしてたくさんの寄付をいただきました。

寄付金額は総額で¥44,300になりました。
大切にスマイリーの活動に使わせていただきます。


東京卵巣がんフォーラムには北は北海道から南は沖縄までの患者さん、ご家族、医療者、企業担当者などが来場されました。

改めてこうしたフォーラムの必要性を感じました。

今後もスマイリーは小規模での勉強会も挟みながら、こうした取り組みもしていきたいと思います。

最後に、東京卵巣がんフォーラム開催に当たっては、スマイリー会員からの寄付(多くの会員さんが会費以外に寄付も振り込んでくださいました)、そしてスマイリーを支えてくださる多くの友人のみなさんからのご寄付がありました。

本当にありがとうございました。

2015年5月17日日曜日

【御礼】東京卵巣がんフォーラム2015無事に閉会しました

いつもスマイリーの活動にご理解いただきありがとうございます。
代表の片木です。

世界卵巣がんデーの日本の取り組みとして開催された東京卵巣がんフォーラム2015ですが、北は北海道、南は沖縄からの参加者・・・熱気ムンムンで開催されました。

終了後は「また開催してほしい」「医師とのコミュニケーションをがんばりたい」・・・多くの言葉をいただき感謝しております。。

いただいた寄付のご報告など改めて後日させていただきたく思います。

取り急ぎ御礼まで。

2015年5月11日月曜日

【お知らせ】東京卵巣がんフォーラムの追加席の予約について

いつもスマイリーの活動にご理解いただきありがとうございます。

東京卵巣がんフォーラムですが追加席の予約を

朝9時に募集を開始し、満席となってしまいました。

ありがとうございました。

フォーラムの詳細はこちら

http://ransougan.e-ryouiku.net/wocd/tokyo2015.html

2015年5月8日金曜日

【お知らせ】「がんと婚姻、出産について」

5月16日の東京卵巣がんフォーラムでもご講演いただく桜井なおみさんから、世界卵巣がんデーによせて「がんと婚姻、出産について」情報提供をいただきました。

スマイリーでも、婚姻や出産について(妊孕性温存の問題、温存後の問題)についての相談も多く、また日本の社会的問題(理解や偏見)といったことについての相談もあります。

相談が多いという印象があっても、社会を変えることは難しく、こうした数字で出した情報の積み重ねで、がんになっても安心して暮らせる社会に向けて対策が作られていくことを強く感じています。

患者さん、ご家族には衝撃が強い情報かもしれませんが、貴重な情報ですので呼んでいただけましたら幸いです。

http://ransougan.e-ryouiku.net/wocd/wocd3.html

【お知らせ】今日5月8日は世界卵巣がんデーです!

いつも卵巣がん体験者の会スマイリーの活動にご理解いただきありがとうございます。

代表の片木美穂です。

今日、5月8日は世界卵巣がんデーです。

卵巣がんは、お子さんからご年配の方まで、女性なら誰もが診断されるかもしれない病気です。

でも、検診が行なわれている乳がんや子宮頸がんなどに比べてあまり知られていません。

ぜひ、多くの女性に世界卵巣がんデーが発信する情報を知っていただきたいです。

きっと、読んでいただくと、体からのサインや、アンジェリーナジョリーさんがどうしてあのような判断をしたのかといったことも、少し理解していただけるきっかけになるかと思います。

世界卵巣がんデーのwebサイト(日本語訳)は下記になります。

http://ransougan.e-ryouiku.net/wocd/wocd.html

リンクはフリーですので、ぜひツイッターやフェイスブックなどでご紹介くださいね。


写真は卵巣がんのTeal(ティール,青緑)カラーのさるぽぽちゃんです。
私の大切な友人(お母さまが卵巣がんサバイバー)がプレゼントしてくれました。

卵巣がん体験者の会スマイリーは5月16日に東京卵巣がんフォーラム2015を開催し、卵巣がんについて学ぶ機会にします。

2015年5月6日水曜日

【お知らせ】東京卵巣がんフォーラム2015まであと10日となりました

いつも卵巣がん体験者の会スマイリーのホームページをごらんいただきありがとうございます。

東京卵巣がんフォーラム2015まであと10日となりました。

申し込み受付開始後、あっという間にお席が埋まってしまい、キャンセル待ちをしたいとのお問い合わせも多数いただいております。

もしもご用意できる場合は、5月11日の朝9時以降にこのブログでお知らせします。

どうぞよろしくお願いいたします。

なお、東京卵巣がんフォーラムのwebサイトにアクセスするには下記リンクをクリックしてください。
http://ransougan.e-ryouiku.net/wocd/tokyo2015.html


スマイリー事務局

2015年4月4日土曜日

【お知らせ】東京卵巣がんフォーラムのお申し込み〆切ました

いつも、スマイリーの活動を応援いただきありがとうございます。

東京卵巣がんフォーラムは、お申し込みが席数に達してしまいました。

申し込み開始日から、予想以上のお申し込みをいただきましたので、会場のレイアウトなどを見直すなどして席を増やしましたが足りずに申し訳ございません。

スマイリー片木美穂

2015年4月2日木曜日

【お知らせ】近藤医師の被害に会われた方へ


日本医科大学武蔵小杉病院 腫瘍内科 勝俣範之先生のツイッター(2015年3月16日)より、勝俣先生の許可を得て転載しております。
 
●近藤医師の被害に会われた方、がんもどきと誤診された方、放置と言われ、進行がんになり、手遅れになった方など、そのような方は、泣き寝入りしてはいけません。弁護費用無料で裁判の支援をしてくださる優秀な弁護士を紹介できます。心あたりのある方は、勝俣まで連絡をください。


●その弁護士さんは、近藤医師の件に関して、問題意識をもってくださっていて、ボランティアで支援をしたい、と言ってくださいました。患者さんにとっては、過去の苦い経験を思い出すことも憂鬱になるという方もいらっしゃいますが、他の患者さんのためにも、是非お考えくだされば幸いです。


【連絡先】
勝俣範之先生(日本医科大学武蔵小杉病院・腫瘍内科教授)
〒211-8533  神奈川県川崎市中原区小杉町1-396
電話番号: 044-733-5181(内線3040)
Fax:044-711-8726
E-mail:nkatsuma@nms.ac.jp
ホームページ:http://www.musako-oncology.jp/


こんにちは、片木です。
いつも卵巣がん体験者の会スマイリーの活動をご理解いただきありがとうございます。

書店に並べられている書籍や、雑誌、インターネットなどで近藤誠医師の発言を読み、治療に不安を感じられた患者さん・ご家族も少なくないと思います。

昨年10月もこのブログでTBSの番組の件に触れていますが、学術的に誤りな情報を垂れ流すマスメディアに、そして患者のことを思っている振りをしてこのような発言をする近藤医師に私は怒りを感じています。

これまで私個人の活動として、イチャモン免疫療法(※1)等で治療を受けたという患者さん、ご家族の相談を受けてきました。

患者さん、ご家族は「騙された私たちが悪い」とか「もう思い出したくない」というようにおっしゃいますが、私は決してこれは患者さん、ご家族の自己責任ではないと思います。
声をあげるのは勇気がいることと思いますし、卵巣がんは進行がんであることも多く、治療と向き合うことで精一杯で・・・という気持ちも察することができます。

でももし、勝俣先生の呼びかけで、何か感じられることがあったなら連絡をしてみてください。


(※1)免疫細胞療法についてはまだ実験的治療の段階にあり、本来は治験(医師主導を含む)や先進医療などで対応すべきです。なのに一部業界では科学的根拠を示し薬事上の手続きを経ないまま「療法」と称して患者に対して高額で行なわれている実態があります。

しかし近年、皮膚がん(メラノーマ)に対して完全ヒト型抗 PD-1 抗体「Nivolumab」が承認されるなど、治験等で効果が証明され薬事承認された免疫療法も出てきました。また、卵巣がんにも幾つかの免疫療法の臨床試験が行われています。

前者を、効果(副作用も含む)が証明されていないものを「療法」と称して高額で患者に行なっていることから、分かりやすく例えるためにイチャモンと称させていただいております。

2015年3月31日火曜日

【コラム】アンジェリーナ・ジョリーさんの卵巣切除の報道について

いつもスマイリーのホームページをごらんいただきありがとうございます。

代表の片木です。

先日、アンジェリーナ・ジョリーさんが卵巣がんの予防的切除として卵巣と卵管を切除したという報道がありました。

HBOCコンソーシアムの患者さん向けの啓発資料によると卵巣がん患者さんのおよそ10%がBRCA1 あるいは BRCA2 遺伝子の変異を生まれつき持っている「遺伝性乳がん・卵巣がん症候群」のようです。
参考:HBOCコンソーシアム


報道で「遺伝性乳がん・卵巣がん症候群」を知った患者さん、ご家族からここ数日お電話相談をいただいています。
自分もそうなのではないか・・・と気持ちがザワザワされていることを感じます。

ニューヨークタイムズ誌に掲載されたアンジェリーナさんの手記を読みましたが、彼女自身も「この決断が彼女特有のものだということ、この決断のもとになったのが、彼女の家族に伝わる病気の歴史だということ」を強調しています。
卵巣がんなら誰もが決断することでも、BRCA遺伝子に変異を持っている誰もが彼女と同じ決断をするように勧めているわけではないことを私たちは知っておく必要があります。

アンジェリーナさんは家族が卵巣がんで亡くした経験から、ご自身の遺伝子変異を知っていたこと、その上で多くの専門家の意見を聞いたうえで利益・不利益を確認したうえで決断したことを書いています。

そのことからも、私たちも安直に情報に飛びつくのではなくしっかり医師と話し合うことが大切だと感じました。
先にご紹介したHBOCコンソーシアムが患者さん向けに発行している冊子には、遺伝子検査を受ける前に考えておくことが示されています。
是非ご参考になさってください。


アンジェリーナさんの報道は、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群を広く知っていただくこと、また一般に分かりやすく報じてもらうことでいい面もありましたが、残念なこともありました。
それは、あるテレビ番組でアンジェリーナさんの決断に対して「がんに詳しい医師」として紹介された方が下記のようにコメントした言葉です。

「卵巣を切除することで女性らしさが失われる」

すぐにその医師の経歴を調べましたが、婦人科がんに携わる医師でもなく、効果が証明されてないものを「療法」としてがん患者さんに高額で行なっている・・・・なんともかんとも残念な・・・。
どうしてこの番組がこの医師を取材したのか分かりませんが、なんていい加減な取材と医師のコメントかと呆れてしまいました。

そもそも女性らしさとは?
卵巣のあるなしできまるものじゃないってことは普通に考えればわかるはずです。

でも私たち卵巣がんになった患者は病気になったことで気持ちが弱くなったり、不安を感じたりということが多くあります。
卵巣がんの患者の多くは手術で子宮や卵巣を失います。
命がこうしてあることのありがたさを感じる一方で、子宮や卵巣を失うことで女性として辛い思いをする患者も少なくありません。
こうした心無いひと言がどれだけ患者の気持ちにダメージを与えるかと考えると本当に悲しくなりました。

世の中には正しい情報も正しくない情報も溢れていますが、そんなとき一番信頼できる情報は誰の情報ですか?
私は、そんなときこそ自分の主治医としっかり話し合うようにしています。
また、必要に応じて専門外来などを紹介してもらうこともできると思います。

あー、でも、こういう女性らしさとかいう言葉は本当に胸がチクチクしますね。


アンジェリーナさんの手記はこちらにニューヨークタイムズに掲載されています。

2015年3月30日月曜日

【お知らせ】平成26年度 利益相反について

平素よりスマイリーの活動にご理解、ご協力ありがとうございます。

特に患者会側が公開する義務はないのですが、日本製薬工業協会「企業活動と患者団体の関係の透明性ガイドライン」を製薬協が作成しとてもいい取り組みだと思うこと、相互の報告があることで更なる透明性に繋がると思いますので、このガイドラインに沿い卵巣がん体験者の会スマイリーおよび代表者片木美穂に対して平成26年1月1日~12月31日の利益相反について報告いたします。

1.直接的資金提供

(対象)寄付金、会員・賛助会員費、協賛費、広告費等
  • なし

2.間接的資金提供
(対象)・患者団体支援を目的とした企業主催・共催の講演会、説明会、研修会等に伴う費用・患者団体支援に関連して外部業者に委託した費用

  • なし

3.会員会社からの依頼事項への謝礼等
(対象)講師、原稿執筆・監修、調査、アドバイザー等の費用
  • なし

4.その他
(対象)労務提供の有無
  • なし
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厚生労働省より
  • 委員手当 79,200円
医学会、グループより
  • 日本文化連厚生農業協同組合連合会 講師謝金 55,685円

医療機関、学校法人等より
  • 浜松医科大学   給与 20,800円
  • 北里研究所     アドバイザリーボード謝金 56,876円
  • 城西国際大学   講師謝金 20,705円
  • 石巻赤十字病院  講師謝金 55,685円

依頼事項への謝礼(製薬協ガイドライン3に該当)をいただいております。

なお、代表者片木美穂の出版社等からの依頼による原稿執筆料は利益相反に該当しないとして報告を割愛させていただきます。
また、患者会等からによる講師依頼に関しては、主催団体に企業が協賛などしていた場合、主催団体への提供であることから報告は割愛させていただきます。

【お知らせ】東京卵巣がんフォーラムの一般申し込みを予定通り4月1日より開始します。

いつもスマイリーの活動にご理解いただきありがとうございます。

東京卵巣がんフォーラムの一般申し込みを予定通り4月1日より開始いたします。

現在スマイリー会員の事前申し込みで65名ほどの応募があり、残り席が限られています。

お早めにお申し込みいただけましたら幸いです。

また当日の注意事項等も加筆しております。ご確認いただけますようお願いいたします。

http://ransougan.e-ryouiku.net/wocd/tokyo2015.html

2015年3月1日日曜日

【お知らせ】SNSにログインできない件について(追記(再追(再々追

2月28日午後よりスマートフォンから会員専用SNSに入れない不具合が発生しているようです。

ただいま管理会社に問合せ中です。

たいへん申し訳ございませんがしばらくお待ちください。

※PCからも入れなくなっているようです。引き続き問い合わせ中ですのでお待ちください

※3月3日0時頃にはほぼトラブル解決できたようです。管理会社によるとDNSサーバーのトラブルとのことでした。ご迷惑をお掛けしました。

※3月3日午前にまた障害が発生しているようです。本当に申し訳ありません。

★その後、無事に安定に運用されるようになりました。ご迷惑おかけしました。

2015年2月20日金曜日

【お知らせ】会員更新は3月末日までです

2014年度の会員のみなさまの2015年度会員への更新が始まっています。

Step1:更新はがきを確認、投函してください
  1. 同封してあるはがきに次年度更新の場合は、更新するに○をつけてください。
  2. はがきに書かれているみなさまの情報をご確認ください。修正がある場合は【赤ボールペン】で修正してください。特にニックネームや電話番号が登録時と変更になっている方が多いと思いますのでよろしくお願いします。電話番号に関しては携帯電話でも構いませんので必ず記載ください。
  3. 個人情報保護のシールを貼り、3月末日までにスマイリー事務局に届くよう投函ください。
※更新のご意思が無い場合は返送不要です。4月になれば自動的に会員登録が削除されます。
Step2:会費をお振込みください。
  • 次年度会費を2月15日~4月15日までにお振込みください。
みずほ銀行  三鷹支店(店番号247)  普通  1345213  
卵巣がん体験者の会 スマイリー
※一度振り込んでいただいた会費はいかなる場合も返金いたしません。

Step3:更新はがきが届いた会員さんについては、はがきに書かれている会員番号のみを週に1・2度全体連絡に掲載しますので確認ください。

なお、更新ハガキに東京卵巣がんフォーラム優先予約がありますので参加人数をご記入ください。

ご協力よろしくお願いします。