2015年8月3日月曜日

【コラム】先日投稿した「前向きは周囲が求めるものではない」への反響

8月に入りましたね。
デブに夏は辛い!といいつつ、夏バテ知らずで1ミリも痩せないスマイリー片木です。
いつもスマイリーのホームページに足を運んでいただきありがとうございます。

この時期になると、不思議とスマイリーのメールアカウントには患者さんからの「ウィッグ対策珍プレー好プレー」のお話が届きます。

毎年、送ってくださる方は違うのですが、きっとスマイリーに相談してこられる患者さんに「こういう工夫してみてよかったっていうのを伝えて!」「こういう対策は危ないわよ!」ということを、事例として教えてくださってるのかなぁ・・・と思って感謝の気持ちをお返事したら、「違うわよ、誰かに喋りたくても気安く話せないじゃない。でも聞いて欲しかったの!」といわれてなるほど!でした。

でも本当にウィッグって暑い!ですよね。
そして、夏ウィッグのみなさんの工夫は年々進化していくのかもしれません。

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さて、先日投稿した「前向きは周囲が求めるものではない」のコラムにたくさんの反響をいただきました。

フェイスブックのシェアやツイッターのリツイートがとても多くて驚いています。
また、シェアしてくださったみなさんのところに入ったコメントなども興味深く読ませていただきました。

スマイリーへ直接いただいた反響もありました。

そのなかのひとつを許可をいただきご紹介します。

「キラキラ前向き」とは逆に、「かわいそう」を求められることもあるんですよ!
私は吐き気などの副作用もさほど無く、抗がん剤治療をしながらでも日常生活を送りつつ、趣味も楽しんでいます。
でも、会社で別の(部位の)がんのサバイバーでもある先輩から「ケモって辛いでしょ、髪の毛抜けて辛いでしょ?無理して笑わなくていいのよ!私わかってるから!」などとかわいそうな人を見るような表情でいわれて辛いです。

なるほど・・・。

●「あなたはこうだから」と決めつけたような言葉
●状況を決めつけて、選択肢はこれしかないと断言されること

が、患者さんにとっては辛いのかもしれません。
しんどいときは、しんどい。でも、楽しいときは、楽しい。

「そのひとらしさ」を大切にしてもらえると嬉しいですよね。

そういえば昔、患者さんに言われたことがあります。
「卵巣がんのAさん」ではなく、「Aさんは卵巣がんを経験してる」くらいなら生きやすいのに。

日本語苦手なので(?)うまく伝えられませんが、なんか病気を見てるか、その人を見てるかみたいなことなのかもしれません。


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そういえば、2011年に「卵巣がん患者家族アンケート」というものをスマイリーでとったことがあります。

その時に、医師とのコミュニケーションで興味深かったのが
「先生があまりにもコミュニケーション下手なので、自分が先生を育ててる」
っていう患者さんの言葉。

アンケートは無記名なので、もちろん誰かわからなかったのですが、後日、患者さんとお会いしたときに「あれ書いたの私なの」とお話くださいました。

どんな風に育てたんですか?と興味むくむくでその患者さんとお茶をしながらお話をしたのですが、
「怒らせちゃダメ・・・そこがポイント」として、「こういう解釈でいいですか?」「こういうことですよね?」とちゃんと端的に分かりやすくして聞き返すの。
すると医師もちゃんと伝わってなければ「この人にどうやったら伝わるかな?」って考えるし、「そう、そのとおりです!」って医師がいったときには、「先生、こういうほうが分かりやすいわよー」って笑顔で言ってあげるの・・・と。

もちろんこれは、担当医師と患者さんとの人間関係が良好だからかもしれません。
また病気の件でバッドニュースのときなどは患者のほうがそんな余裕は持てませんよね。

でも、「あぁ・・・残念な対応だなぁ」って思ったときに、もし余裕があれば、そういうアプローチができれば、相互の成長にも繋がっていいのかもなぁと思ったりもしました。

(まぁ個人的には、患者さんに「TCがPDですね(※)」といっちゃうような医師もまだいるわけで・・・何十年もそんな説明をしていた先生が変わるかというと・・・とは思います。)
(※)PD : 進行(progressive disease):簡単にいうと既存の病変の明らかな増悪なので、「TCがPDですね」と患者さんに伝えた医師は、「タキソールとカルボプラチンの併用療法が奏効していない」ことを伝えたかったのだと思いますが、患者さんは「うちの主治医が話していることは宇宙人の言葉のようだ」とおっしゃってました。

余談ではありますが、その患者さんが育てているという先生が、市民公開講座でお話されているのを数年ぶりに拝聴しましたが、お話がとても上手になっていました!

と、話がそれてしまいましたが、私たちも患者1年生からはじまります。医療者も医療者1年生からはじめています。相手が何年生かわからないから厄介ではありますが、きっとお互い、いろんな経験をして「その人らしく」を考えられるようになっていけばいいですね。

もちろん私も患者会としてはまだまだ未熟ですので、会員さんや応援してくださる皆様の叱咤激励を旨にちょっとずつ成長していきたいと思っています。

辛いことはスマイリーの仲間に話せばちょっと軽くなる。
嬉しいことはスマイリーの仲間に話せばより嬉しくなる。
そんな患者会でありたいなーと思います。