2017年11月28日火曜日

【コラム】卵巣がんの初回化学療法について

あと数日で今年も残すところあと1ヶ月になりますね。
いつもスマイリーの活動にご理解いただきありがとうございます。
代表の片木です。
 
スマイリーでは電話や面談等々でご相談いただいたことを可能な限り記録しています。
前に同じような相談があったときにどうしたのかなとか、同じ方にもう一度お問い合わせいただいたときに前回どんな相談だったかなと思い出すための私の記録的なものであり、他人に決して見せることはありません。
 
まだ11月の段階ですが、今年も480件以上のお問い合わせをいただき、うち52件は面談でお会いしています。
多くの患者さんやご家族にお会いしたんだなぁと感じるとともに、それだけ患者さんやご家族が日々不安を感じてらっしゃるのだなとも思います。

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もっとも多い相談は上皮性卵巣がんの初回化学療法について


この3年、ダントツで相談件数が多いものがあります。
「卵巣がんの初回化学療法について」の質問です。

「私はパクリタキセル(タキソール)とカルボプラチンにベバシズマブ(アバスチン)をしていますが、勝俣範之先生のツイッターを見るとグレードCと書いてあり驚きました。この治療を続けていていいのでしょうか」

「私はTC療法をしていますが、患者さんのなかには同じ初回化学療法でも毎週治療を受けたり、ベバシズマブ(アバスチン)を併用されている患者さんもいるのですがなにが違うのでしょうか」
 
といった「他の方が受けている治療と違う」ことに関する不安を訴える相談がとても増えています。

※卵巣胚細胞腫瘍などについてはまた違う治療になりますのでご注意ください。

卵巣がん治療ガイドライン2015年版では


卵巣がん治療ガイドライン2015年版では

CQ9 推奨される初回化学療法のレジメンは?
<推奨>
TC療法(conventional TC療法)が強く奨められる(グレードA)
Dose-dense TC療法も奨められる(グレードB)

CQ18 初回化学療法もしくは再発症例に対する治療薬として推奨される分子標的治療薬はあるか?
<推奨> 化学療法と併用して、またその維持化学療法としてベバシズママブが考慮されるが、使用する際には、慎重な患者選択と適切な有害事象のモニターが必要である(グレードC1)

となっています。

このグレードというのはなんでしょうか。

科学的根拠(エビデンス)があるということ

科学的根拠(エビデンス)という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。
科学的根拠がある治療については「質の高い臨床試験」が行われていることが不可欠です。
質の高い臨床試験について細かく説明しているとこの記事が終わらないので割愛しますが、現在のチャンピオンとなっている治療と効果が期待される新しい治療をランダム比較試験した臨床試験が科学的根拠(エビデンスレベル)が高いとされています。
質の高い臨床試験が複数あり、この治療は多くの患者さんにとってより有効で安全であることが確認されたものが「科学的根拠(エビデンスレベル)がもっとも高い」とされます。


「新しい抗がん剤を100人に投与しました30人に効果が見られました」というチャンピオンデータと比較していないものはエビデンスレベル3になります。いま、その病気の治療にもっとも使われている治療と同じ患者さんの選択基準で比較しなければ「いい」とは言えないのです。
 
「ある抗がん剤を投与したら効果があった人がいました」「僕の経験ではこうの薬はいいよ」はエビデンスレベル5になりエビデンスレベルが高いとはいえません。
 

日常診療への推奨度


科学的根拠の高い臨床試験をガイドラインに反映させる際、日常診療への推奨度(グレード)というものを設定されます。
グレードAが、エビデンスレベルの高い治療として、多くの患者さんにより有効性も安全性も高いとして標準治療として推奨されます。


ただし、臨床研究は世界でたくさん行われておりガイドラインに掲載されたあとにさまざまな結果がわかることもあり、ガイドラインは数年に1回のペースで専門家により見直されていきます。
卵巣がんは2004年、2007年、2010年、2015年とガイドラインが発行されています。
 

卵巣がんの標準治療の歴史

卵巣がんの標準治療は多くの臨床試験の積み重ねで、より有効で、より副作用等が少ない治療に変遷を遂げています。


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初回化学療法についてはどの治療?

先にもご説明したとおり卵巣がん治療ガイドライン2015年版では

CQ9 推奨される初回化学療法のレジメンは?
<推奨>
TC療法(conventional TC療法)が強く奨められる(グレードA)
Dose-dense TC療法も奨められる(グレードB)

CQ18 初回化学療法もしくは再発症例に対する治療薬として推奨される分子標的治療薬はあるか?
<推奨> 化学療法と併用して、またその維持化学療法としてベバシズママブが考慮されるが、使用する際には、慎重な患者選択と適切な有害事象のモニターが必要である(グレードC1)
 
となっており、グレードCと評価されているベバシズマブ(アバスチン)を併用している患者さんはとても不安だと思います。
 

TC療法(conventional TC療法)

パクリタキセル(タキソール)3週間に1回
カルボプラチン 3週間に1回
を6サイクル
 
これまで多くの臨床試験で卵巣がんに有効で安全である治療法。
長い期間、卵巣がんの治療に標準治療として治療に用いられてきたために効果についてわかっており、副作用の対策もしっかりされている治療法です。

Dose-dense TC療法

パクリタキセル (タキソール)を毎週
カルボプラチン 3週間に1回
を6サイクル

この治療法はJGOG3016という臨床試験において、日本人の卵巣がんの患者さん(卵管がん、腹膜がん:ステージ2−4期)に協力していただき、従来のTC療法と、タキソールを毎週に分割して投与する方法を比較した臨床試験です。
結果、無増悪生存期間(PFS)の延長(17.5mos , 28.2mos)、生存期間(OS)の延長(中央値で62.2mos , 100.5mos)が認められました。

しかし、血液毒性が強く出てしまう患者さんがいること、患者さんの生活によっては仕事や介護・子育てで毎週の通院が困難であったり、毎週遠方から通っている、雪深い地に住んでるなどで毎週の通院の継続が困難な場合もあるので医師と相談が必要です。

またこの試験はlancetという論文にも掲載され評価されたものですが日本人だけの臨床試験です。
2017年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で発表された海外で行われた追試(リンク)では有意差が出なかったという報告もあり今後どのように評価されていくのかをみていく必要があります。

TC+Bev療法

パクリタキセル(タキソール)を3週間に1回
カルボプラチン を3週間に1回
を6サイクル
その2サイクル目から
ベバシズマブ(アバスチン)を21サイクル
 
2013年11月に卵巣がんにベバシズマブ(アバスチン)が承認されたことにより使われるようになったまだ新しい治療法です。

承認のきっかけになった代表的な臨床試験はGOG218試験です。

複数の国の卵巣がん、卵管がん、腹膜がんの患者さん(ステージ3、4期)に協力していただき、
  • 従来のTC療法の群
  • TC療法に2クール目からベバシズマブ(アバスチン)を5サイクル併用した群
  • TC療法に2クール目からベバシズマブ(アバスチン)を21サイクル併用した群
で比較した試験です。
日本人の患者さんは44名協力いただいています(米国人1800名、韓国人29名)。
 
結果、従来のTC療法に比べて、アバスチンを21サイクル併用した群が無増悪生存期間(PFS)が3.8ヶ月延長したが、生存期間(OS)の延長は認めなかったことから(リンク)今後、国内外で行われているさまざまな追試の臨床試験の結果で評価が変わってくると思います。
 
まだ承認されて間がない治療法であることや、生存期間の延長が見られていないことから専門家の間でも意見が一致しないグレードCという推奨になっています。

<注意>
製薬企業は、このOSを延長しなかったということに対して異論を唱えたいのかSurvival Post-Progression(SPP)という概念を出してきて、PFSが延びているんだからOSも延びるはずという資料をアバスチンの資料として配っているようですが、あくまでも製薬企業の販促の一環ということで注意が必要です。
そんなこといったらdd-TCはPFSを11ヶ月延長してOSも延長しているわけですやん。ベバシズマブのPFS3.8ヶ月延長してOS延長なしの方がいい証明にはなりませんやんと素人の私は思います。

TC+Bev療法を受ける時にはしっかり説明を受け納得して

いま、多くの患者さんがこの投稿を見て驚かれていると思います。
というのも、スマイリーでおしゃべり会をしていてもここ3年ほどに初回化学療法を受けた多くの患者さんがTC+Bev療法をされていると伺うからです。

私は、TC+Bev療法が悪いとは言っていません。
ただガイドラインではまだグレードCの評価で「使用する際には、慎重な患者選択と有害事象のモニターが必要である」とされていることからきちんと患者選択をして欲しいと願っています。
その上で、患者さんにきちんとグレードA、Bという治療の選択肢があること、それらと比較してメリットデメリットを正しく説明をして患者さんが納得して治療を受けて欲しいと願っています。
適格条件
PS0−2、適切な骨髄・肝・腎機能を有する
除外条件
腸閉塞症状がある、腹部・骨盤への放射線治療歴がある、膿瘍がある、28日以内の手術施行、出血傾向がある、コントロール不良の高血圧、6ヶ月以内の心筋梗塞、不安定狭心症の既往、NYHA Grade2以上の心不全、6ヶ月以内の脳血管障害、臨床的に有意なタンパク尿を満たす患者
前治療歴が少ない患者、消化管合併症がない患者を慎重的に選択すること。
静脈血栓症を潜在的に有する場合にも留意が必要。
残念ながら患者さんの多くはなぜベバシズマブ(アバスチン)を使うのかを説明を受けていないです。もしくは医師は説明をしたつもりかもしれませんが患者会に相談されるときにその事を理解している患者さんとはほとんど出会うことがありません。

例えばddーTC療法の項目に書きましたが患者さんによっては毎週の治療が苦痛になる場合や骨髄抑制が出やすい患者さんもいることから、ベバシズマブ(アバスチン)の併用も検討されることもあっていいと思います。

しかしそう言った説明もされていないからかここのところの相談事例ではTC療法を6クールした後の維持療法としてのベバシズマブ(アバスチン)がどうして必要なのか。
アバスチンを特段の副作用が出ていないのに辞めてしまう患者さんも見受けられます。
GOG218試験の結果や、企業が提供しているアバスチンの適正使用ガイドを見れば医師は21クール行う意味が説明できるはずです。
 
また21サイクルという長期間の治療になるため、その間の治療費の負担も大きな経済的副作用となっています。
そのこともご理解いただけかなくてはいけません。
 
これまでもなんども書いておりますが、「どの治療がいい」と私たちがいうことはできません。
どの治療にもメリット・デメリットはあります。
いま、治療中の患者さんはどうか医師と治療内容について確認して治療を続けていただきたいと思います。
 
また愛知県のある大学病院ではddーTC療法にアバスチンを併用する治療をされているようですがそれについては海外では有意差を認めていない臨床試験結果もあるため患者さんに適切に説明していただきたいと思います(リンク)。 

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まとめ:患者さんも医療に参加して


私は、患者さんの相談を受ける際に「医師に、どうしてその治療をすすめるのか聞きましたか?」と確認することが多いです。
でも多くの患者さんは「他に選択肢があることを知らなかった」「医師に質問をして気分を害されたらどうしようと思うとできない」とおっしゃられます。
 
でもそれで不安を抱え、「どうして他の人はあの治療なのに・・・」とか「私の治療は最善なのだろうか・・・」と不安を抱える時間は辛いと思います。
 
上記に示したように、今、卵巣がんの初回化学療法は複数の治療法が行われています。

そのいずれにもメリット・デメリットがあります。
逆にいえば患者さんの生活に合わせて選択することも可能です。

治療にあたり、みなさんが優先したい事項もあると思います。
例えば働いているから通勤しながら治療できるものがいい。
病院に行く回数はどうか。
治療費の負担
そういう希望を患者さんはしっかり伝えると良いかと思います。

医師とよく話し合い、合意の上で治療を進めていただきたいと思います。
私たちは、がんという病気と長い時間向き合っていきます。
そのためにも医師に思いを伝えられる、疑問や辛いことや不安を伝えられるということはとても大切だと思います。

患者さんやご家族からすると自分の病気が人質に取られているような気持ちになるという方も多いですが、一方で医療に携わる側も、私たち患者会も患者さんが思っていることを伝えていただけないと「大丈夫なんだな」「納得しているんだな」と思ってしまう部分もあります。
 
私は医療従事者じゃないので拙い説明でたいへん申し訳ありませんが、初回化学療法のことで悩まれる患者さんの考えの整理の助けになれば幸いです。

2017年11月25日土曜日

【お知らせ】オラパリブが医薬品第二部会を通過しました

いつもスマイリーの活動にご理解をいただきありがとうございます。

厚生労働省の医薬品第二部会でアストラゼネカの卵巣がん治療薬(PARP阻害剤)リムパーザ錠(オラパリブ)の承認を了承されました。
効能効果は「白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣がんにおける維持療法」になります。
つまり、白金系抗悪性腫瘍剤を含む初回化学療法の投与終了後から再発までの期間が6カ月以上であり、かつ直近の白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法による奏効が継続している再発卵巣がん患者に使用されるお薬です。
BRCA遺伝子変異陽性かどうかにかかわらず使用できるそうです。
300㎎を1日2回経口投与となります。
 
遺伝性変異があるかどうかに関わらずという承認は海外でもされており、日本もそうなったこと正直ホッとしています。
 
日本では血縁者が不当な差別を受けないようにするための法が未整備であり、最近でも「大学生の子供が、内定をもらった企業から人柄を知りたいのでフェイスブックの友達になるようにといわれたそうだ。子供が遺伝について書いたりして不当な扱いを受けないか心配だ」「これまで親族・友人等にも安心してもらうために治療について積極的に発信していたが、オラパリブを使ったら娘が嫁ぎ先でいじめられないか心配だ」といった相談も会員さんから受けておりました。
 
お薬が正式に薬価収載されたりして、みなさんに実際に治療に使われるまでもう少しお時間が必要ですが、スマイリーとしてもこれからも情報発信を続けたいと思っております。

2017年11月4日土曜日

【コラム】スキルス性の卵巣がんと名乗る方がいるようです。

いつもスマイリーの活動にご理解いただきありがとうございます。
代表の片木です。

最近ツイッターで話題になってるのですが、「余命3ヶ月のガンが食事療法で消えた」ような本を出している料理研究家の方がおられるようです。
その病名は「スキルス性卵巣がん」。

(大場先生のブログ)
http://masaruoba.hatenablog.com/entry/2016/06/18/140202 
(五本木クリニックのブログ)
https://www.gohongi-beauty.jp/blog/?p=23131
https://www.gohongi-beauty.jp/blog/?p=23155
  
私も、上記ブログに同感です。

スキルス性の卵巣がんなんて卵巣がんの病理分類にないのだもの。
主治医の先生が間違えて伝えたのか(普通本を出す前に確認するよね)、それとも本人の思い違いか・・・。
 
ちなみに本を3冊出されているようで、2冊目に1冊目に書いたことの一部が虚偽であることを認められているのですが卵巣がんは相変わらずスキルス性なんですかね・・・。
 
卵巣がん患者さんの中には、本当に一生懸命医師と話し合い治療に向き合っておられても、再発や再々発に不安を覚え、なんとかならないかと考えておられる患者さん、家族は少なくありません。
だからこの本を買ってしまった患者さんからの話を耳にするたびに悲しくなります。
 
でももしこの人が本当に卵巣がんだったら・・・と思いこれまであまり大々的に変だとは言わなかったのですが2冊、3冊と本を出されるとさすがにちょっと見過ごせないなぁと思いました。

(下記、卵巣がん診療ガイドラインからの病理分類の転載ですが、先日の日本癌治療学会で病理分類を日本もWHOの分類に合わせていくというお話もあったのでその辺はご理解ください:それでも変更点にスキルス卵巣がんはありませんでした)

1.卵巣腫瘍取扱い規約 第1 部(2009 年12 月,第2 版)
コード番号はInternational Classification of Diseases for Oncology(ICD-O),第3 版に基づいた。
Ⅰ.表層上皮性・間質性腫瘍 Surface epithelial-stromal tumors
  1. A.漿液性腫瘍 Serous tumors
    1. 1.良性 Benign
      1. a.
        漿液性腺腫 Serous adenoma
        8441/ 0
        (漿液性囊胞腺腫 Serous cystadenoma,漿液性乳頭状囊胞腺腫 Serous papillary cystadenoma)
      2. b.
        漿液性表在性乳頭腫 Serous surface papilloma
        8461/ 0
      3. c.
        漿液性腺線維腫 Serous adenofibroma
        9014/ 0
        (漿液性囊胞腺線維腫 Serous cystadenofibroma)
    2. 2.境界悪性 Borderline
      1. a.
        漿液性境界悪性腫瘍 Serous borderline tumor
        8442/ 1
        (漿液性境界悪性乳頭状囊胞性腫瘍 Serous borderline papillary cystic tumor)
      2. b.
        漿液性境界悪性表在性腫瘍 Serous borderline surface papillary tumor
        8463/ 1
      3. c.
        漿液性境界悪性腺線維腫 Serous borderline adenofibroma
        9014/ 1
        (漿液性境界悪性囊胞性腺線維腫 Serous borderline cystadenofibroma)
      4. d.
        微小乳頭状パターンを伴う漿液性境界悪性腫瘍
        Serous borderline tumor with micropapillary pattern
        8442/ 1
    3. 3.悪性 Malignant
      1. a.
        漿液性腺癌 Serous adenocarcinoma
        8441/ 3
      2. b.
        漿液性表在性乳頭状腺癌 Serous surface papillary adenocarcinoma
        8461/ 3
      3. c.
        漿液性腺癌線維腫 Serous adenocarcinofibroma
        9014/ 3
  2. B.粘液性腫瘍 Mucinous tumors
    1. 1.良性 Benign
      1. a.
        粘液性腺腫 Mucinous adenoma
        8470/ 0
        (粘液性囊胞腺腫 Mucinous cystadenoma)
      2. b.
        粘液性腺線維腫 Mucinous adenofibroma
        9015/ 0
    2. 2.境界悪性 Borderline
      1. a.
        粘液性境界悪性腫瘍 Mucinous borderline tumor
        8472/ 1
        1)腸型 Intestinal type
        2)内頸部様 Endocervical-like
      2. b.
        粘液性境界悪性腺線維腫 Mucinous borderline adenofibroma
        9015/ 1
    3. 3.悪性 Malignant
      1. a.
        粘液性腺癌 Mucinous adenocarcinoma
        8480/ 3
      2. b.
        粘液性腺癌線維腫 Mucinous adenocarcinofibroma
        9015/ 3
    4. 4.壁在結節を伴う粘液性腫瘍 Mucinous tumor with mural nodule
      *粘液性腫瘍の良性・境界悪性・悪性の別と壁在結節の組織診断を明記する。
    5. 5.
      腹膜偽粘液腫を伴う粘液性腫瘍 Mucinous tumor with pseudomyxoma peritonei
      8480/ 3
      *粘液性腫瘍の良性・境界悪性・悪性の別を明記する。
  3. C.類内膜腫瘍 Endometrioid tumors
    1. 1.良性
      1. a.
        類内膜腺腫 Endometrioid adenoma
        8380/ 0
        (類内膜囊胞腺腫 Endometrioid cystadenoma)
      2. b.
        類内膜腺線維腫 Endometrioid adenofibroma
        8381/ 0
    2. 2.境界悪性 Borderline
      1. a.
        類内膜境界悪性腫瘍 Endometrioid borderline tumor
        8380/ 1
        (類内膜境界悪性囊胞性腫瘍 Endometrioid borderline cystic tumor)
      2. b.
        類内膜境界悪性腺線維腫 Endometrioid borderline adenofibroma
        8381/ 1
    3. 3.悪性 Malignant
      1. a.
        類内膜腺癌 Endometrioid adenocarcinoma
        8380/ 3
      2. b.
        類内膜腺癌線維腫 Endometrioid adenocarcinofibroma
        8381/ 3
      3. c.
        癌肉腫 Carcinosarcoma
        8950/ 3
      4. d.
        腺肉腫 Adenosarcoma
        8933/ 3
      5. e.
        低悪性度類内膜間質肉腫 Endometrioid stromal sarcoma, low grade
        8931/ 3
      6. f.
        未分化卵巣肉腫 Undifferentiated ovarian sarcoma
        8805/ 3
  4. D.明細胞腫瘍 Clear cell tumors
    1. 1.良性 Benign
      1. a.
        明細胞腺腫 Clear cell adenoma
        8310/ 0
        (明細胞囊胞腺腫 Clear cell cystadenoma)
      2. b.
        明細胞腺線維腫 Clear cell adenofibroma
        8313/ 0
    2. 2.境界悪性 Borderline
      1. a.
        明細胞境界悪性腫瘍 Clear cell borderline tumor
        8310/ 1
        (明細胞境界悪性囊胞性腫瘍 Clear cell borderline cystic tumor)
      2. b.
        明細胞境界悪性腺線維腫 Clear cell borderline adenofibroma
        8313/ 1
    3. 3.悪性 Malignant
      1. a.
        明細胞腺癌 Clear cell adenocarcinoma
        8310/ 3
      2. b.
        明細胞腺癌線維腫 Clear cell adenocarcinofibroma
        8313/ 3
  5. E.移行上皮腫瘍 Transitional cell tumors
    1. 1.良性 Benign
      1. a.
        ブレンナー腫瘍 Brenner tumor
        9000/ 0
    2. 2.境界悪性 Borderline
      1. a.
        境界悪性ブレンナー腫瘍 Borderline Brenner tumor
        9000/ 1
    3. 3.悪性 Malignant
      1. a.
        悪性ブレンナー腫瘍 Malignant Brenner tumor
        9000/ 3
      2. b.
        移行上皮癌 Transitional cell carcinoma[非ブレンナー型non-Brenner type]
        8120/ 3
  6. F.扁平上皮腫瘍 Squamous cell tumors
    1. 1.良性 Benign
      1. a.類表皮囊腫 Epidermoid cyst
    2. 2.悪性 Malignant
      1. a.
        扁平上皮癌 Squamous cell carcinoma
        8070/ 3
  7. G.混合型上皮性腫瘍 Mixed epithelial tumors
    1. 1.
      良性 Benign
      8323/ 0
    2. 2.
      境界悪性 Borderline
      8323/ 1
    3. 3.
      悪性 Malignant
      8323/ 3
      *構成成分を明記する。
  8. H.
    分類不能の腺癌 Unclassified adenocarcinoma
    8140/ 3
  9. I.
    未分化癌 Undifferentiated carcinoma
    8020/ 3
注) 上記の()内の名称は,肉眼所見を加味してそのように呼ぶことができるが,日常診断においては必ずしもそこまでは求められない。
Ⅱ.性索間質性腫瘍 Sex cord-stromal tumors
  1. A.顆粒膜・間質細胞腫瘍 Granulosa-stromal cell tumors
    1. 1.顆粒膜細胞腫 Granulosa cell tumor
      1. a.
        成人型顆粒膜細胞腫 Adult granulosa cell tumor
        8620/ 1
      2. b.
        若年型顆粒膜細胞腫 Juvenile granulosa cell tumor
        8622/ 1
    2. 2.莢膜細胞・線維芽細胞性腫瘍 Theca cell-fibroblastic tumor
      1. a.
        莢膜細胞腫 Thecoma
        8600/ 0
        * 黄体化したものであるときは黄体化莢膜細胞腫Luteinized thecoma 8601/ 0 とする。
      2. b.
        線維腫 Fibroma
        8810/ 0
        *富細胞性であるときは富細胞性線維腫Cellular fibroma 8810/ 1 とする。
      3. c.
        線維肉腫 Fibrosarcoma
        8810/ 3
      4. d.
        僅少な性索成分を伴う間質性腫瘍 Stromal tumor with minor sex cord elements
        8593/ 1
      5. e.
        硬化性間質性腫瘍 Sclerosing stromal tumor
        8602/ 0
      6. f.その他 Others
  2. B.セルトリ・間質細胞腫瘍 Sertoli-stromal cell tumors
    1. 1.セルトリ・ライデッヒ細胞腫 Sertoli-Leydig cell tumor
      1. a.
        高分化型 Well differentiated
        8631/ 0
      2. b.
        中分化型 Of intermediate differentiation
        8631/ 1
      3. c.
        低分化型 Poorly differentiated
        8631/ 3
      4. d.
        網状型 Retiform
        8633/ 1
        * 異所性成分を伴うものwith heterologous elements は,セルトリ・ライデッヒ細胞腫としての組織亜型b~d と異所性成分を明記する。中分化型と網状型は8634/ 1,低分化型は8634/ 3 とする。
    2. 2.
      セルトリ細胞腫 Sertoli cell tumor
      8640/ 1
  3. C.ステロイド細胞腫瘍 Steroid cell tumors
    1. 1.
      ステロイド細胞腫瘍 Steroid cell tumor
      8670/ 0
      * 発生部位が卵巣間質か卵巣門かを特定できるものについては,ラインケ結晶を確認できない間質性黄体腫Stromal luteoma 8610/ 0,確認できる門細胞腫Hilus cell tumor 8660/ 0,あるいは非門型ライデッヒ細胞腫Leydig cell tumor, non-hilar type 8650/1 に亜分類できる。悪性性格を示すものは悪性ステロイド細胞腫瘍8670/3 とする。
  4. D.混合型性索間質性腫瘍 Sex cord-stromal tumor, mixed cell type
    1. 1.
      輪状細管を伴う性索腫瘍 Sex cord tumor with annular tubules
      8623/ 1
    2. 2.
      ギナンドロブラストーマ Gynandroblastoma
      8632/ 1
      * 構成成分を明記する。
  5. E.
    分類不能型性索間質性腫瘍 Sex cord-stromal tumor, unclassified cell typess
    8590/ 1
Ⅲ.胚細胞腫瘍 Germ cell tumors
  1. A.
    ディスジャーミノーマ Dysgerminoma
    9060/ 3
  2. B.
    卵黄囊腫瘍 Yolk sac tumor
    9071/ 3
  3. C.
    胎芽性癌 Embryonal carcinoma
    9070/ 3
  4. D.
    多胎芽腫 Polyembryoma
    9072/ 3
  5. E.
    非妊娠性絨毛癌 Non-gestational choriocarcinoma
    9100/ 3
  6. F.奇形腫 Teratoma
    1. 1.2 胚葉性あるいは3 胚葉性奇形腫 Biphasic or triphasic teratoma
      1. a.
        未熟奇形腫 Immature teratoma
        9080/ 3
      2. b.
        成熟奇形腫 Mature teratoma
        9080/ 0
        1. 1)充実性 Solid
        2. 2)囊胞性 Cystic〔皮様囊腫 Dermoid cyst〕
        3. 3)胎児型 Fetiform〔こびと型 Homunculus〕
    2. 2.単胚葉性奇形腫および成熟奇形腫に伴う体細胞型腫瘍 Monodermal teratoma and somatic-type tumors associated with mature teratoma
      1. a.
        卵巣甲状腺腫 Struma ovarii
        9090/ 0
        * 甲状腺組織が悪性像を示すときは悪性卵巣甲状腺腫Malignant struma ovarii 9090/ 3 とし,甲状腺癌としての組織型を付記する。
      2. b.カルチノイド腫瘍 Carcinoid tumor
        1. 1)
          甲状腺腫性カルチノイド Strumal carcinoid
          9091/ 1
        2. 2)
          島状カルチノイド Insular carcinoidi
          8240/ 3
        3. 3)
          索状カルチノイド Trabecular carcinoidi
          8240/ 3
        4. 4)
          粘液性カルチノイド Mucinous carcinoidi
          8243/ 3
        5. 5)混合型 Mixed
          *構成成分を明記する。
      3. c.神経外胚葉性腫瘍群 Neuroectodermal tumor group
        *組織型を明記する。
      4. d.癌腫群 Carcinoma group
        1. 1)
          扁平上皮癌 Squamous cell carcinoma
          8070/ 3
        2. 2)
          腺癌 Adenocarcinoma
          8140/ 3
        3. 3)その他 Others
      5. e.メラノサイト群 Melanocytic group
        *組織型を明記する。
      6. f.その他 Others
  7. G.混合型胚細胞腫瘍 Mixed germ cell tumors
    *構成成分を明記する。
Ⅳ.胚細胞・性索間質性腫瘍 Germ cell-sex cord-stromal tumors
  1. a.
    性腺芽腫 Gonadoblastoma
    9073/ 1
  2. b.混合性胚細胞・性索間質性腫瘍 Mixed germ cell-sex cord-stromal tumor
Ⅴ.卵巣網の腫瘍 Tumors of the rete ovarii
  1. a.
    腺腫 Adenoma
    9110/ 0
  2. b.
    腺癌 Adenocarcinoma
    9110/ 3
Ⅵ.その他の腫瘍 Miscellaneous tumors
  1. a.
    小細胞癌 Small cell carcinoma
    8041/ 3
    * それぞれに特徴的な形態を示すときは高カルシウム血症型Hypercalcemic type,肺型Pulmonary typeとする。そうでない場合は小細胞癌の診断にとどめる。
  2. b.
    大細胞神経内分泌癌 Large cell neuroendocrine carcinoma
    8013/ 3
  3. c.
    肝様癌 Hepatoid carcinoma
    8576/ 3
  4. d.中皮性腫瘍 Mesothelial tumors
  5. e.妊娠性絨毛性疾患 Gestational trophoblastic diseases
  6. f.
    ウォルフ管腫瘍 Wolffian tumor
    9110/ 1
  7. g.軟部腫瘍 Soft tissue tumors
  8. h.悪性リンパ腫,造血細胞腫瘍 Malignant lymphoma,Hematopoietic tumors
  9. i.その他 Others
Ⅶ.腫瘍様病変 Tumor-like conditions
  1. A.囊胞形成群 Cyst-forming group
    1. a.子宮内膜症性囊胞 Endometriotic cyst
    2. b.表層上皮封入囊胞 Surface epithelial inclusion cyst
    3. c.孤在性卵胞囊胞および黄体囊囊胞 Solitary follicle cyst and corpus luteum cyst
    4. d.妊娠性および産褥性大型孤在性黄体化卵胞囊胞 Large solitary luteinized follicle cyst of pregnancy and puerperium
    5. e.多発性卵胞囊胞 Multiple follicle cysts
    6. f.多発性黄体化卵胞囊胞 Multiple luteinized follicle cysts(黄体化過剰反応 Hyperreactio luteinalis)
    7. g.分類不能囊胞 Unclassified cyst
  2. B.間質過形成群 Stromal hyperplasia group
    1. a.妊娠黄体腫 Luteoma of pregnancy(Pregnancy luteoma)
    2. b.間質過形成 Stromal hyperplasia
    3. c.間質性莢膜細胞過形成 Stromal hyperthecosis
    4. d.線維腫症 Fibromatosis
    5. e.広汎性浮腫 Massive edema
  3. C.その他 Others
Ⅷ.二次性腫瘍 Secondary tumors〔転移性腫瘍 Metastatic tumors〕
  1. 附.腹膜腫瘍
  2. A.中皮性腫瘍 Mesothelial tumors
    1. a.
      良性中皮腫 Benign mesothelioma
      9050/ 0
    2. b.
      悪性中皮腫 Malignant mesothelioma
      9050/ 3
    3. c.
      高分化乳頭状中皮腫 Well differentiated papillary mesothelioma
      9052/ 0
    4. d.
      多囊胞性中皮腫 Multicystic mesothelioma
      9055/ 1
    5. e.
      アデノマトイド腫瘍 Adenomatoid tumor
      9054/ 0
  3. B.平滑筋腫瘍 Smooth muscle tumors
    1. a.
      播種性腹膜平滑筋腫症 Leiomyomatosis peritonealis disseminata
      8890/ 1
  4. C.起源不明の腫瘍 Tumors of uncertain origin
    1. a.
      線維形成性小円形細胞腫瘍 Desmoplastic small round cell tumor
      8806/ 3
  5. D.上皮性腫瘍 Epithelial tumors
    1. a.
      原発性腹膜漿液性腺癌 Primary peritoneal serous adenocarcinoma
      8461/ 3
    2. b.原発性腹膜境界悪性腫瘍 Primary peritoneal borderline tumor
      *組織型を明記する。
    3. その他 Others
〔卵巣腫瘍取扱い規約 第1 部 第2 版(2009 年12 月,金原出版)より〕
2.WHO Classification of tumours of the ovary 2014a, b
Epithelial tumours
Serous Tumours
Benign
Serous cystadenoma
8441/ 0
Serous adenofibroma
9014/ 0
Serous surface papilloma
8461/ 0
Borderline
Serous borderline tumour/ Atypical proliferative serous tumour
8442/ 1
Serous borderline tumour-micropapillary variant/ Non-invasive low-grade serous carcinoma
8460/ 2 *
Malignant
Low-grade serous carcinoma
8460/ 3
High-grade serous carcinoma
8461/ 3
Mucinous tumours
Benign
Mucinous cystadenoma
8470/ 0
Mucinous adenofibroma
9015/ 0
Borderline
Mucinous borderline tumour/Atypical proliferative mucinous tumour
8472/ 1
Malignant
Mucinous carcinoma
8480/ 3
Endometrioid tumours
Benign
Endometriotic cyst
Endometrioid cystadenoma
8380/ 0
Endometrioid adenofibroma
8381/ 0
Borderline
Endometrioid borderline tumour/ Atypical proliferative endometrioid tumour
8380/ 1
Malignant
Endometrioid carcinoma
8380/ 3
Clear cell tumours
Benign
Clear cell cystadenoma
8443/ 0
Clear cell adenofibroma
8313/ 0
Borderline
Clear cell borderline tumour/ Atypical proliferative clear cell tumour
8313/ 1
Malignant
Clear cell carcinoma
8310/ 3
Brenner tumours
Benign
Brenner tumour
9000/ 0
Borderline
Borderline Brenner tumour/ Atypical proliferative Brenner tumour
9000/ 1
Malignant
Malignant Brenner tumour
9000/ 3
Seromucinous tumours
Benign
Seromucinous cystadenoma
8474/ 0 *
Seromucinous adenofibroma
9014/ 0 *
Borderline
Seromucinous borderline tumour/ Atypical proliferative seromucinous tumour
8474/ 1 *
Malignant
Seromucinous carcinoma
8474/ 3 *
Undifferentiated carcinoma
8020/3
Mesenchymal tumours
Low-grade endometrioid stromal sarcoma
8931/ 3
High-grade endometrioid stromal sarcoma
8930/ 3
Mixed epithelial and mesenchymal tumours
tumours
Adenosarcoma
8933/ 3
Carcinosarcoma
8980/ 3
Sex cord-stromal tumours
Pure stromal tumours
Fibromaa
8810/ 0
Cellulara fibroma
8810/ 1
Thecomaa
8600/ 0
Luteinized thecoma associated with sclerosing peritonitisa
8601/ 0
Fibrosarcomaa
8810/ 3
Sclerosing stromal tumoura
8602/ 0
Signet-ring stromal tumoura
8590/ 0
Microcystic stromal tumoura
8590/ 0
Leydig cell tumoura
8650/ 0
Steroid cell tumoura
8760/ 0
Steroid cell tumour, malignanta
8760/ 3
Pure sex cord tumours
Adult granulosa cell tumour
8620/ 3
Juvenile granulosa cell tumour
8622/ 1
Sertoli cell tumour
8640/ 1
Sex cord tumour with annular tubules
8623/ 1
Mixed sex cord-stromal tumours
Sertoli-Leydig cell tumours
Well differentiated
8631/ 0
Moderately differentiated
8631/ 1
 With heterologous elements
8634/ 1
Poorly differentiated
8631/ 3
 With heterologous elements
8634/ 3
Retiform
8633/ 1
 With heterologous elements
8634/ 1
Sex cord-stromal tumours, NOS
8590/ 1
Germ cell tumours
Dysgerminoma
9060/ 3
Yolk sac tumour
9071/ 3
Embryonal carcinoma
9070/ 3
Non-gestational choriocarcinoma
9100/ 3
Mature teratoma
9080/ 0
Immature teratoma
9080/ 3
Mixed germ cell tumour
9085/ 3
Monodermal teratoma and somatic-type tumours arising from a dermoid cyst
Struma ovarii, benign
9090/ 0
Struma ovarii, malignant
9090/ 3
Carcinoid
8240/ 3
Strumal carcinoid
9091/ 1
Mucinous carcinoid
8243/ 3
Neuroectodermal-type tumours
Sebaceous tumours
Sebaceous adenoma
8410/ 0
Sebaceous carcinoma
8410/ 3
Other rare monodermal teratomas
Carcinomas
Squamous cell carcinoma
8070/ 3
Others
Germ cell-sex cord-stromal tumours
Gonadoblastoma, including gonadoblastoma with malignant germ cell tumour
9073/ 1
Mixed germ cell-sex cord-stromal tumour, unclassified
8594/ 1 *
Miscellaneous tumours
Tumours of rete ovarii
Adenoma of rete ovarii
9110/ 0
Adenocarcinoma of rete ovarii
9110/ 3
Wolffian tumour
9110/ 1
Small cell carcinoma, hypercalcaemic type
8044/ 3 *
Small cell carcinoma, pulmonary type
8041/ 3
Wilms tumour
8960/ 3
Paraganglioma
8693/ 1
Solid pseudopapillary neoplasm
8452/ 1
Mesothelial tumours
Adenomatoid tumour
9054/ 0
Mesothelioma
9050/ 3
Soft tissue tumours
Myxoma
8840/ 0
Others
Tumour-like lesions
Follicle cyst
Corpus luteum cyst
Large solitary luteinized follicle cyst
Hyperreactio luteinalis
Pregnancy luteoma
Stromal hyperplasia
Stromal hyperthecosis
Fibromatosis
Massive oedema
Leydig cell hyperplasia
Others
Lymphoid and myeloid tumours
Lymphomas
Plasmacytoma
9734/ 3
Myeloid neoplasms
Secondary tumours
a The morphology codes are from the International Classification of Diseases for Oncology(ICD-O){575A}. Behaviour is coded / 0 for benign tumours, / 1 for unspecified, borderline or uncertain behaviour, / 2 for carcinoma in situ and grade Ⅲ intraepithelial neoplasia and / 3 for malignant tumours; b The classification is modified from the previous WHO classific ation of tumours {1906A}, taking into account changes in our understanding of these lesions; *These new codes were approved by the IARC/ WHO Committee for ICD-O in 2013.

〔WHO Classification of Tumours of Female Reproductive Organs. Fourth Edition(2014, IARC Press)より〕