明日11月16日に国会が解散し、衆議院選挙戦に突入します。
これまで議論されてきたドラッグ・ラグなど医薬品へのアクセスの問題が選挙後に無かったことにならないよう、日ごろお世話になっている国会議員の先生方に対して要望を行いました。
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「がん患者を取り巻く問題(特に医薬品問題)についての要望」
平素よりたいへんお世話になっております。
私たちがん患者は、海外で承認されている医薬品が日本では保険償還されていないために使えない、いわゆるドラッグ・ラグという問題に苦しんできました。
近年では、5大がんなどでは徐々にこの問題はなくなりつつありますが、それ以外の希少がんにおいては「日本では他のがんに承認されている医薬品が、自分たちのがん種では使えない」、いわゆる適応外の問題が依然立ちはだかり患者は苦しみつづけています。抗がん剤においては、初の承認から時間が経過して、別のがん種でも効果がわかることが多いのですが、日本では薬事承認=保険適用という原則がいまだに根強く、そのことが医薬品へのアクセスの大きな障害となっております。私たちがん患者会は、2011年3月~12月まで開催された厚生科学審議会医薬品等制度改正検討部会、また2012年6月に閣議決定された第2期がん対策推進基本計画等においてこの問題についてとりあげ、また会議の場では具体的な解決方法について政策提言をしていますが、施策として実行がされておらず、早期の施策の実現を望んでいます。
また、これから生み出される医薬品に対しては、これまでもライフイノベーション・医療イノベーションの会議において「日の丸印の医薬品・医療機器の創出を」と打ち出されていますが、医薬品・医療機器の製造販売の規制法律である薬事法の改正が厚生科学審議会医薬品等制度改正検討部会において2012年1月24日に取りまとめられたにも関わらず早々に国会提出が見送られたため早期の改正を望んでおります。薬事法の改正においては、医薬品と医療機器が果たして同じ法律でよいのか、これから生まれてくるiPS細胞や再生医療に対して薬事法でどう取り扱うのか、また企業が開発に乗り出しにくい希少疾患に対しての医薬品開発の推進や、海外ではすでに導入されているコンパッショネートユース(人道的治療)の導入などの対策を求めます。
- ドラッグ・ラグ(特にがん医療における適応外医薬品)問題解決に向けて議論の場を設け、解決に向けての施策が実行されるようお力添えください。
- 薬事法の改正にあたっては医薬品の製造販売における規制だけでなくこれから医薬品を生み出し、患者に速やかに届けられるような観点も取り入れての議論を行ってください。
- その際には厚生科学審議会医薬品等制度改正検討部会の取りまとめや、がん対策推進基本計画で患者が求めた対策が実現するよう患者目線も取り入れた対策を心から望んでいます。