とうとう11月になってしまいましたね。
今年も残すところあと2ヶ月。
あと2ヶ月でまたおせち料理作りをしなければいけないのか・・・いや、その前に大掃除いつするの・・・思考が停止しました・・・片木です。
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さて、スマイリーの会員様には男性もいます。
ご主人、お父さん、息子さん・・・立場もさまざまですが、10名ほど在籍してくださっています。
また、私が受ける相談も、およそ9割は患者さん自身もしくはご家族でも姉妹や娘さんといった女性なのですが、1割は男性でご主人が最も多いです。
少し前に、コラムに「最近ではSNSの普及で、ネットで気持ちを吐き出される方が増えてきて、患者会には気持ちを分かち合うよりも情報を求める方が増えている」と書きましたが、男性の相談は、「いまどういう状況なのか、いまどうしたらいいのか整理したい」のかなと感じることがとても多いです。
患者さんから病院での医師のやり取りを伺い、「ちょっとこれは・・・なんとかできないのか」と感じられてお電話を下さるのですが、患者さん当人や女性の家族のお電話と違い、話していると漠然としていることがとても多いです。
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例えば、「奥さんはいつごろ卵巣がんと診断されましたか?」「たぶん・・・5年くらい前だったかなぁ」
「再発はいつごろ?」「んー、それほど経ってなかったと思うよ」
「抗がん剤はいま何を?」「あー、それ聞いてなかった」
なんていうのは序の口で、奥様が再発治療を続けられていたことを知らず、もう積極的に治療することができなくなった段階でその事実を知り「がんは治っていたと思っていたのに!」と動揺されている相談も何度か受けたことがあります。
奥さんが治療をしていればウィッグになるだろうし様子を見て気づくだろうなんておっしゃる方もいるのですが、初回化学療法が功を奏していたりする場合は、ご家族は「治ったのだ」と思い込まれる部分もあり、また患者さんも「今、再発治療をしてても特段生活に影響もないし、いま心配かけてもなぁ」などとしてお話されていないのかなぁと察します。
でも、やはり、「困った!」という事態になってから突然相談されても、心の準備ができておらずご主人がうろたえてしまうのは当然です。
私たち患者は、検診で医師と会い、今の状況を積み重ねて心の準備もしていくことができます。
また、病気のこともより知っていくことができます。
ご家族も、もちろん卵巣がんについては調べておられるのですが、やはり情報の世界のものだけではリアルで対峙したときにどうしていいのかわからないのかもしれません。
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そのようなお電話がかかってきたときには、ぜひとも一度、奥様が病院を受診されるときに同行していただき、医師の説明に同席してみてはどうかということをご提案させていただいています。
私自身は医療従事者ではないのでもちろん医学的なことは何もいえないですし、患者さん自身のお話も重要ですが、ご家族としても医師と関わることって大切だとお話します。
もちろん突然「時間をとってくれ、説明してくれ」では外来が混雑していたりする場合もあり病院側も困ると思いますので、事前に病院の婦人科外来の受付などに連絡をしておき、良い時間に変更してもらうなどは必要かもしれません。
そのときに、この辺を確認してみたらどうでしょう?という交通整理のお手伝いをさせていただいています。
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患者さんからの相談でも「ご家族にどこまで話せばいいんだろう」というものは少なくありません。
「負担をかけたくない」「心配をかけたくない」「どうせ言っても聞いてくれない」など理由はさまざまで、もちろん対応もそのご家庭ご家庭によって考えねばなりません。
ただ、やはり、家族にも「心の準備」は必要なわけで、また家族は「一番の味方」であってもらいたいなと私は思います。
すべてを共有するということは難しいので、例えば予後の検診で「あれ?」という結果(例えばマーカーが上がってきた)が出て、今後の治療をどうするか相談するときなどは、ご家族に同行してもらうというのもひとつの手段かなとおもいます。
患者さん自身の説明に加えて医師からも説明をうけられることはとても重要な気がしますし、毎回検診のたびに会社を休んで同行は無理でも、治療の切り替えの段だけであれば何とかなる場合もあるのではないでしょうか。
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よく、患者の気持ちは患者にしかわからない・・・という言葉を耳にしますが、そうでしょうか?
もちろん、同じ病気を体験してると、抗がん剤治療後のあのムカムカ感とかそういったものを共感はできるとおもいます。「そうだよねー、私のときもそうだったよ」って。話も膨らみやすいのは確かです。
ただ、ぶっちゃけて話すと、私自身、患者さんやご家族から相談を受けていてもすべてに共感してるかというとそうじゃありません。
悩んでおられること不安に思われてることはどこに情報の詰まりがあり、どうアクセスすればよりよくこの方は病気と向き合えるかな・・・ということを考えながらお話は伺っていますが。
患者の気持ちは患者にしかわからない・・・なんていっちゃうと、ほら、私の気持ちは私にしかわからない・・・なんていう当然のことに行き着くでしょ?
さらにぶっちゃけていうと、例えば私は「がんでも前向きに!」なんて啓発をみるとぶん殴りたくなります(あ、言っちゃった 笑)。
今、本当に辛くて泣いていてもいいんです。後ろ向きになってもいいんです。辛いのはつらい!
がんになったから得るものも多かったといって「キャンサーギフト」なる言葉もありますが、私はがんになって10年経っても未だに卵巣がんになりたくなかったなぁって思ってます。(私、意外とネガティブな人なので)。
子宮頸がんの検診等を促す言葉で「母なる子宮を大切に」とか見ると本当にイラッときてしまいます(論理的には検診はがんに罹患していない患者さん対象なのでより啓発が進むためにそういう言葉を選ぶのはわかるのですが)。
がんだからって明るくする必要なんてないんです。
でも、同じがん患者でもそういう差はいくらでもあるんですよね。
と、毎度のごとく話がどんどんあさっての方向に言ってしまっていますが、元に戻すと、そういうことなんです。
あなたのすべてをわかるひとなんていない。
だからこそ、病気のことくらい、家族に心配かけたくなくても、家族の心の準備のためにも話しておいてもいいんじゃないかと私は思います。
心配かけたくないからってギリギリまでひとりで判断して、もう体もしんどい、家事もできない、動くことすらつらい・・・そんな段階で話をされても、ご主人も仕事のこと、家事のこと、今後のこと・・・いきなり全部を考えなきゃならなかったら辛いと思いませんか?
もちろん「これまで、私に散々辛い思いをさせたんだから、人生の最後に倍返ししてやる!」ということで黙っているならば、それもアリだと思います(笑)。